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2024.06.25 土地活用

賃貸ガレージハウス経営「基本のキ」!建築費から施工まで土地活用の秘訣を実例交えて紹介します

この記事の監修者
垣内 典之一級建築士垣内 典之

賃貸ガレージハウス経営に興味のある方に向けて、ガレージハウスの歴史や賃貸ガレージハウスのオーナーになるメリット、気になる建設費用や設計のポイントなど、賃貸ガレージハウス経営のノウハウをまとめてご紹介。賃貸ガレージハウス市場はアパート・マンションと比べて未成熟ですが、新たなビジネスチャンスとして今後成長が見込める市場です。土地活用の選択肢として、検討してみてはいかがでしょうか。

ガレージハウスとは?

ガレージハウス経営を知るにあたって、まずはガレージハウスそのものについて理解を深めましょう。

ガレージハウスとは、ガレージと居住空間が融合した住宅形態のこと。単なる駐車スペースとしてのガレージにとどまらず、居住スペースと直結した設計により、車やバイクなどの愛車とまるで本物の家族のように、一つ屋根の下で暮らすことができます。ガレージはシャッター付きなので、セキュリティ面も安心。また、居住スペースと繋がっているので、生活の合間に愛車のメンテナンスを行うことも可能です。車・バイク愛好家にとって、ガレージハウスはまさに理想的な環境なのです。

ガレージハウスの歴史

ガレージハウス経営を検討する人であれば、その歴史が気になる人も多いでしょう。ここでは、ガレージハウスの歴史をかんたんにご紹介します。

海外ではメジャーなガレージハウス。たとえば広い国土を持つアメリカでは、19世紀後半以降、自動車の普及とともに、馬小屋や納屋を車庫へと転用する人が増えました。その流れの中で形成されていったのが、一軒家の建物の一部にシャッターやドアを設置したガレージを組み込んだ「ガレージハウス」。ガレージは車を安全に保管することはもちろん、不用品の収納スペースや、離れ(部屋)としても使われるようになりました。

なお、居住空間内にシャッターやドアを設置したガレージ自体のことを「ビルトインガレージ」「インナーガレージ」と呼ばれ、「ガレージハウス」とは、インナーガレージやビルトインガレージを設けた「家」そのもののことを指します。
一方で、国土の狭い日本では、ガレージハウスは広い敷地を所有する一部の限られた層しか実現できない家でした。しかし、1980年代になると、1階がシャッター付きガレージ、2階が居住スペースという構造のメゾネット式の賃貸ガレージハウスが登場し、じわじわと広がりをみせていきました。

そして1990年代には、メディアの影響により「男の隠れ家」「秘密基地」という言葉の流行ととともに、趣味を楽しむスペースとしてガレージハウスが注目を浴びることに。ガレージハウス=憧れの存在として印象づけられるようになりました。賃貸ガレージハウスが勢いよく広がりを見せたのは、2020年以降。コロナパンデミックを機に、都心離れ、リモートワーク、2拠点生活など人々のライフスタイルが変化し、その流れの中で、人々の活動拠点として賃貸ガレージハウスが選ばれるようになりました。

なぜ今、賃貸ガレージハウスが人気なのか?

働き方の変革が進み人々のライフスタイルが変化する中で、個人の趣味や価値観に合わせた住空間へのニーズが高まっています。居住空間以外に多目的に使える広いスペースを持つガレージハウスは、まさにそのニーズを満たす住環境。車やバイクの保管場所として成り立ってきたガレージハウスですが、昨今では、趣味や創作活動の場、あるいはホームジムとしても注目を集めるようになっています。

とくに、一戸建てのガレージハウスとは違い、自ら建てなくても手軽にガレージライフを叶えられる賃貸ガレージハウスは、幅広い層から人気です。

車・バイクの愛好家が愛車の車庫として利用するのはもちろん、サーフィンやキャンプなどのアウトドアグッズの保管庫として、アーティストのアトリエとして、DIYの作業スペースとして、トレーニングジムとして…など、その活用法は広がりを見せています。また、ガレージはシャッター付きであることから、セキュリティ面での安心感も人気の理由の一つです。

以上のように、ガレージハウス人気の背景には、人々のライフスタイルの変化、日常生活の質の向上や趣味との融合、そして利便性の追求が挙げられます。ガレージハウスは単なる住空間を超え、ライフスタイルそのものを豊かにする存在として、今後も注目され続けるでしょう。

賃貸ガレージハウス経営に興味をお持ちの方は、一般的なアパート・マンション経営とどちらがいいのか?と、検討している方も多いのではないでしょうか。そんな土地オーナー様に向けて、無料ガイドブックをご用意しました。ぜひこの機会にダウンロードしてください。

賃貸ガレージハウスのオーナーになるメリット

賃貸ガレージハウスの需要の高まりとともに、ガレージハウス経営に興味を持つ人も増えています。賃貸ガレージハウスを経営するとどんなメリットがあるのか。一般的なアパートやマンションとの違いをふまえて、賃貸ガレージハウスのオーナーとしての利点をお伝えします。

立地の影響が少なく需要が見込める

所有する土地が「立地がよくない」「交通利便性が悪い」などの理由から、ガレージハウス経営が成功しづらいのでは、と心配する方も多いかもしれません。 

しかし、賃貸ガレージハウスはその特性上、通常のアパートやマンションとは異なり、立地が直接的な需要に影響しない強みを持っています。なぜなら、賃貸ガレージハウスの入居希望者はそもそも車やバイクの移動手段を持っている人が多いため、駅近など交通利便性へのこだわりがそれほど高くないからです。 最寄駅からの距離や商業施設からの近さよりも、車やバイクでの生活をのびのびと楽しめる立地のほうがより好まれる傾向にあります。 

たとえば、都心から離れた地域であっても、自然に囲まれた地域やドライビングコースに近いなど、休日のドライブ・ツーリングに適した環境であれば一定の需要が見込めるのです。また、高速道路のインターチェンジが近くにあると、長距離を移動する好きにとっても魅力的な立地となります。 

そのため、賃貸ガレージハウス経営を検討する際、普通のアパートや賃貸マンションとしては見向きもされないような土地でも、賃貸ガレージハウスとしてなら有効利用できる可能性があります。駅から遠い郊外、田んぼが多い田舎などであっても、賃貸ガレージハウス経営は十分に成功できる可能性があります。

車やバイク好きの人以外からも需要がある

幅広い層からの需要があることも、ガレージハウス経営のメリットです。

賃貸ガレージハウスは、その名が示すとおり、車やバイクを愛する人々にとって魅力的な住空間です。しかしながら、昨今はそれにとどまらず、幅広い層からの人気を集めています。

たとえば、大きな道具の保管を必要とするサーフィンやキャンプの愛好家、クリエイターのアトリエ、フィギュアのコレクター、トレーニーのホームジムとして。また、車庫としてのセキュリティ面が高いことから高級車を保有する人やセカンドハウスとしての利用も多く、富裕層が多いのも特徴です。

賃貸ガレージハウスにおけるガレージは、車1〜2台分のスペースであることが多いですが、そのスペースの使い道は人それぞれで、アイデア次第で無限大に広がります。単なる住居ではなく、自分の大切にしたい趣味やライフスタイルを生活の中に取り入れられるのが、賃貸ガレージハウスの一番の魅力です。

需要が供給を上回っている

現在、賃貸ガレージハウスは大変多くの人々からの需要があり、建物の供給が追い付いていない状況にあります。新しい物件が出るとすぐに満室となることがほとんど。空き物件を待ち望むユーザーが順番待ちをしている状況です。そのような状況からも、現在、ガレージハウス経営はビジネスチャンスの時期であるといえます。

田舎や郊外では、生活に不可欠な移動手段として車が重要な位置を占めているため、賃貸ガレージハウスを求める声は絶えません。また、車やバイクを趣味とする層にとっては単なる移動手段ではなく、その所有そのものがライフスタイルの一部を表すものです。そうした人たちにとっては、愛車を守りながら快適に暮らすことができる賃貸ガレージハウスは非常に魅力的な選択肢となります。

しかし、この需要の高まりに対して市場に出回っているガレージハウスの数はまだまだ少ないのが実情です。この供給不足は、土地オーナーにとってみれば良質な入居者を選べるという大きなメリットを持ち合わせています。

また、経営者にとってはビジネスチャンスともいえます。入居希望者が待機している状況は、高い稼働率と安定した経営を期待できる環境を提供してくれるでしょう。

賃料を高めに設定できる

賃貸ガレージハウス経営には、賃料を高めに設定できるという点にもメリットがあります。 

 賃貸ガレージハウスという特別な空間を提供することは、通常の戸建て賃貸とは一線を画す魅力を訴えることが可能です。これが賃料を高めに設定できる大きな理由のひとつです。 

 供給が少ない中での希少価値は、効果的に賃料に反映させることができます。他の賃貸物件と比較しても、賃貸ガレージハウスは賃料を高く設定しやすく、その結果、安定した収入を見込むことが可能です。とくに車やバイクに情熱を持つ層には、ガレージスペースがあること自体が強いメリットであり、彼らはその価値を理解し、高い賃料であっても納得して支払う傾向にあります。賃貸ガレージハウスへ入居を希望する車やバイク好きの層の人々は、高級車や輸入車の保有率が高く、富裕層が多いのも特筆すべき点です。高い賃料設定での経営を実現し、長期的な収益性を目指しましょう。

ガレージハウス経営を検討する際の注意点

さてガレージハウス経営を考えた際、気をつけていただきたい注意点がいくつかあります。
以下に心得ておきたいポイントを挙げています。必ずご確認ください。

建築コストが割高になる

ガレージハウスを経営する魅力はさまざまありますが、その一方で避けては通れないのが、建築コストの問題です。賃貸ガレージハウスを建築する際には、通常の住宅に比べ使用する建材のコストが高くなりがちです。加えて、ガレージスペースにシャッターなど特別な設備を設置するための費用も発生するのがその理由です。

また、賃貸ガレージハウスでは、車やバイクなどの貴重な所有物を保管するため、防犯性の高い電動リモコンシャッターを採用することが一般的です。これらのシャッターは、ただ設置するだけでなく、長期間にわたっての保守点検も必要となり、これがまた維持費を増やすことになります。これらのコストは入念な資金計画と見込みを立てて対策を講じる必要があります。

近隣からのクレームに注意が必要

音の問題は、賃貸ガレージハウスの大きな課題のひとつです。入居者が愛車を大切にケアする姿は絵になりますが、それに伴うエンジン音やシャッターの開閉音が、他の住民にとっては騒音トラブルの原因となりえます。

賃貸ガレージハウスの建設にあたっては、とくにシャッターの選定には注意を払う必要があります。電動化された静かなシャッターの採用、壁や窓の防音性能を高めるなどの工夫で、騒音クレームのリスクを低減することができます。さらには、賃貸ガレージハウスのルールとして、夜間の出入りを制限することも有効な手段です。

ガレージハウス経営を考える際は、計画段階での適切な防音対策と、ルール設定による利用者管理が不可欠です。

節税効果の有無をしっかり考える

賃貸ガレージハウス経営における節税効果の有無については、オーナーがとくに注意すべきポイントです。

とくに、固定資産税に関する誤解が多いため、しっかりと理解しておくことが大切です。多くのオーナーが、固定資産税を低減させるための手段としてガレージハウス経営に注目していますが、ここで肝心な点を認識しなければなりません。

賃貸ガレージハウスにおいては、その土地に対して、1世帯につき敷地200m²までが小規模宅地の減税対象となり、固定資産税が軽減されます。また建物に対しては、新築住宅の場合、50m²〜120m²まで3年間、建物評価が2分の1に低額されます。ガレージハウスの場合、内部の間仕切りがないので 評価額は通常のアパートに比べ割安になります。

賃貸ガレージハウスの経営は運用実績がまだ少ない

賃貸ガレージハウス経営における大きな課題は、運用実績の希薄さです。戸建てやアパートなど一般的な賃貸経営と異なり、ガレージハウスに特化した市場データが圧倒的に不足しています。したがって、市場を探りながら経営方針を決定していく必要があります。

賃貸ガレージハウス市場はまだ成熟していないため、先を読むのが難しい状況です。しかし、だからこそ市場に先駆けて成功を収めるチャンスがあるともいえます。確かに、こうしたマーケットでは経営ノウハウが確立されていないため、自身で判断を誤ると大きな損失を招く可能性がありますが、綿密な計画と専門家との連携を通じて、リスクを最小限に抑えながら事業を進めることが重要です。

令和ならでは?賃貸ガレージハウスの入居者候補はこんな人!

では、具体的にどんな人たちがガレージハウスの入居者として考えられるか。どんな人たちに需要があるのか、まず想像することがガレージハウス経営の第一歩となります。

車やバイクが好きな人

賃貸ガレージハウスの入居者候補として真っ先に挙げられるのが車・バイクの愛好家です。彼らは、愛車をより良い環境で保管することを求めています。

賃貸ガレージハウスならば、シャッター付き住居内で車・バイクのメンテナンスや整備をいつでも行うことができます。これらは彼らの目には、とても魅力的な物件に映ることでしょう。加えて、愛好家たちが所有する愛車は、1台とは限りません。複数台の所有、そしてその愛車たちが高級車であることも予想されます。ガレージハウスでは盗難対策といったセキュリティ面での不安も解消できるのです。

アーティストやアート系の趣味を持つ人

アーティストやアートが趣味の人の中には、賃貸ガレージハウスをアトリエとして使用したいという人も多いです。住まいとアトリエが別の場合、創作意欲が湧いた時に、創ることができないことはストレスにつながります。賃貸ガレージハウスなら、閃いたらすぐに創作活動に取り組むことができ、趣味に没頭できる場所として最適です。

しかも車を駐車できる広いスペースは、大きな作品を手がけることもできるし、多くの画材や道具、製作途中の作品などを保管するのに十分な面積だといえるでしょう。

本格的なトレーニングをしたい人

24時間営業のフィットネスジムが定着している近年。自ら本当の意味でのプライベートジムを持ちたいと考える人もいるのではないでしょうか。

通常の住居で可能なのは、自重トレーニングやダンベルで筋トレすることぐらい。ガレージハウスなら、べンチプレスだけでなくスポーツジムに設置されているマシンを置くことだって可能です。負荷をかけるための重りをガレージに置いても、重さで床が凹むこともなければ、十分な広さもあるため生活の邪魔にもなりません。

安心して子どもを遊ばせたい人

働きながら子育てをされている親世代には、賃貸ガレージハウスは安心して子どもを遊ばせることができる住環境となり得ます。

リモートワークが進んだとはいえ、在宅仕事中に子どもの面倒をみるのは至難の業です。目の届かない場所に行かせるわけにも行かないが、子どもは広い場所で遊びたい。そんなときガレージが格好の遊び場となります。大きな遊具も入るし、夏にはビニールプールだって設営できます。まだ幼い子供を持つ人にとってはひとつの選択肢になるのではないでしょうか。

失敗しない賃貸ガレージハウスの設計・施工とは?

賃貸ガレージハウスを設計、施工する際には、ターゲット層をきちんと想定することが大事です。
想定した入居者のために、どんなガレージハウスを建築するか考えてみましょう。

入居ターゲットをしっかり見極める

入居ターゲットを見極めることは、賃貸ガレージハウス経営において非常に重要です。それぞれのターゲットに対し、自分たちの物件がどのように応えられるか、どんな特徴を打ち出すことができるかを考えることで、成功への道が開けます。

想定されるターゲット層に応じて、設計の細部にわたって最適化を図ることが、空室リスクを回避し、経営の安定につながります。ターゲットに合った魅力的な物件を提供していくことが重要です。それには信頼できる設計者とのコミュニケーションがまず大事になります。

車やバイクが好きな人なら

車やバイクが趣味の人には、広々としたガレージとセキュリティ面を重視した設計が求められるでしょう。

具体的には、大型輸入車が楽々と収容できるような車庫設計を心がけましょう。車庫の出入り口は、スムーズな出し入れを考慮して幅広にするとともに、天井の高さは車上部の収納など多目的な利用を想定して余裕を持たせることが望ましいでしょう。また防犯面を考慮してシャッターは必須。セキュリティ会社との契約などもあると付加価値が高まるでしょう。

創作活動がしたいアート系の人なら

アート作品の創作活動を楽しみたい人には、広い作業スペースと汚れを気にせずに使える素材選び、たっぷりとした収納スペースが必要になるかもしれません。

アートスペースは、防水性に優れた素材を使用し、水や汚れに強い床材を選ぶことが望ましいです。壁面には汚れが付きにくく、掃除が容易な材質を選定することで、つねに清潔な空間を保ちやすくなります。これは、オーナー側のメンテナンス費用削減にもつながり、経営の効率化にも寄与します。

トレーニング器具をたくさん置きたい人なら

毎日のトレーニングが欠かせないスポーツ愛好者には、広いスペースと防音設備がポイントとなります。

自分がトレーニングしていると、あまり気にならないかもしれませんが、実際、ウェイトを持ち上げて下す時に出る音や振動は相当なものです。これらは他の入居者や近隣の居住者との、トラブルの原因につながります。

昼夜問わず運動したい入居者には、広い空間に適切な振動を抑える床材や防音対策がなされた壁材など、騒音問題に配慮した設計が必要です。

子どもの遊び場にしたい人なら

子どもが安全に遊べる場所を求める家族には、安心して遊べる工夫や子どもの目が届くような設計が求められるでしょう。たとえば、居住スペースからガレージを見られるようにガラス張りにしてみてはいかがでしょうか。

それでなくても居住スペースに関しては、居心地の良さを追求しながら、ガレージとの一体感も意識する必要があります。ガレージから直接居住スペースへアクセスできるようにすることで、雨日の移動も濡れずに済みますし、安全性も向上します。

ターゲットとコストのバランスを考える

ターゲット層を想定しガレージハウスを設計することは、とても大切ですが、コストに見合わなければ元も子もありません。ある一定のターゲットに向けて設計したガレージハウスも、入居希望が続かなければ、経営としては問題です。

ある一定のターゲット層の利便性、快適性を追求するあまり、コスト高になり、別の入居希望者にはそぐわない設計となってはなりません。たとえば、車・バイク愛好家のためのガレージハウスとして特化した設計をしてしまうと、他の目的で利用したい入居者にとっては、そこまで魅力的に映らない可能性もあります。

ガレージハウス経営を続けていくにあたってターゲット層の要望とそれにかかるコストについて、バランスを考えるのが重要です。

想定クレームを意識し、設計に取り入れるか決める

ターゲットの要望に応えるだけでなく、潜在的に含まれるクレームについても意識しましょう。

趣味としてのガレージをいかに設計するかを考えるあまり、居住スペースの利便性はおろそかになっていないでしょうか。趣味と生活を両立する居住空間としてどんな不都合があるか、入居者の生活スタイルを考え、それを設計に取り入れましょう。

具体的には、日当たり、風通しといった問題や、周辺環境をふまえた防音素材の使用が挙げられます。騒音問題は、入居者のみならず、近隣に住む方々への配慮にもつながります。土地オーナーにとっては、所有されている立地の環境に最適な設計を考えることも、安定したガレージハウス経営を目指すのに重要だといえるでしょう。

賃貸ガレージハウス経営を含む賃貸経営は、人々のライフスタイルの変化とともに今、過渡期へと差し掛かっています。現在の賃貸経営事情を知りたい方や、一般的なアパート・マンションと賃貸ガレージハウスの比較をしたい方、最新の土地活用ノウハウが詰まった土地活用ガイドブックをぜひ無料ダウンロードしてみてください。

ガレージハウスの設計で意識しておくべきポイント

ガレージハウス経営を検討する上では、どんな点を意識してガレージハウスの設計を進めていけばよいでしょうか。

設計面で考えたいポイント

賃貸ガレージハウスの設計面で考えたいポイントについて挙げてみます。

ガレージの広さと居住スペースの広さ

ガレージハウスの設計においてもっとも配慮すべきは、「ガレージの広さ」と「居住スペースの広さ」のバランスです。ガレージハウスの魅力となるのは、車やバイク、自転車などの収納スペースとしての機能です。愛車を守るために、天井が高く広々としたガレージは大きな魅力となります。同時に、居住スペースも快適に過ごせるよう十分な広さを確保する必要があります。

ガレージと居住スペースの比率や機能性を的確に把握し、ターゲットとなる入居者にマッチした設計を行うことが肝心です。居住スペースの快適性を確保しつつも、ガレージスペースにアクセントを加えることで、高い利回りを目指す経営へとつながります。

日当たりや風通しを考慮する

居住スペースにおける日当たりと風通しの良さは、ガレージハウスに住む人にとって快適性を感じる重要な要素です。たとえば、居住部分を南向きに配置することで、自然光を最大限に取り入れることが可能になります。

風通しについては、窓や換気口の配置を工夫しましょう。窓を相対する壁に設置することによって、対流を促進し、室内の空気を効率良く入れ替えることができます。

賃貸ガレージハウスが単に趣味の空間としてではなく、入居者の日常生活を潤す居住空間の設計に細心の注意を払うことが必要です。

寝室との位置関係に配慮する

賃貸ガレージハウスの設計に際して、忘れてはならない基本原則があります。それは入居者のプライバシーを守り、日常生活における快適さを維持するために、寝室と車庫の位置関係に配慮することです。

車の入出庫は不可避であり、早朝や深夜に行動される方もいらっしゃいます。その際、エンジンの音やドアの開閉音が家族の睡眠を妨げることがないように、物理的な距離を置くことが重要になります。

外壁材の経年劣化対策

賃貸ガレージハウス建設をする際に、見過ごされがちですが、外壁材も重要な要素です。外壁は、建物の美観を左右するだけではなく、経年劣化によるメンテナンス費用や快適性に大きく関わる部分です。耐久性がありメンテナンスが容易な素材を選ぶことは、長期的な経営において経済的な負担を軽減するためにも欠かせません。

海岸近くや湿地帯など、特殊な環境にあることも多い賃貸ガレージハウスでは、塩害や湿気に強い素材を使用することが必須です。さらに、メンテナンスの手間を省くためには、汚れが付着しづらく、落としやすい性質の材料を選定することが望ましいです。

ガレージのシャッターをリモコンで操作可能にする

賃貸ガレージハウスの設計において入居者の日常生活における利便性を深く考える必要があります。その中でも、とくに注目すべき点がガレージのシャッターです。ここでおすすめしたいのが、電動リモコンシャッターです。

電動リモコンシャッターの導入は、入居者にとって非常に大きな魅力となります。運転席に座ったままボタンひとつでシャッターを開閉できるため、いつでも快適に車庫に入ることが可能です。実際、細かな使い勝手が入居者の満足度に直結するため、リモコン操作は投資の価値が高いといえるでしょう。

さらに、シャッターをリモコンで操作できることで、セキュリティ面でのメリットもあります。盗難対策のほか、車内から直接操作を行えるため、悪天候の中や夜間に外に出るリスクを減らし、安全性を向上させることができます。

排気ガスや換気対策を整える

賃貸ガレージハウスの特性上、ガレージ内部に車両を長時間保管することは、避けられません。そこで注意すべきなのが、排気ガスやその他の化学物質が室内に滞留することによる健康リスクです。

このリスクを避けるためには、ガレージ内に排気システムを設計することが不可欠です。ここでは、ガレージの奥に十分な換気能力を持つ換気扇を設置することをおすすめします。排気ガスが居住スペースに流れ込むのを防ぐためにも、ガレージの配置と換気扇の位置は計画的に設計する必要があります。

設備面で考えたいポイント

設備面に関しては、ガレージハウスの特性から、一般の住居とは異なった考え方が必要です。

それは住居とガレージが一体となっているため、どちらかが不都合な環境であると、ガレージハウス全体の快適性が損なわれてしまうからです。趣味として活用するガレージ、生活として利用する居住スペース、どちらも快適に利用していただけるような設備を設置しなければなりません。ガレージハウスにおける設備面において具体的に考えられるポイントを以下に解説していきます。

洗車やアート系の汚れ落としのために水回りを対策する

賃貸ガレージハウスは、洗車やアート系の創作活動に対応した施設として注目され、これらのユーザーのニーズに応える水回りの設計は欠かせません。

愛車の手入れを楽しむ人たちにとって、洗車は重要なポイントです。ガレージに洗車用のシンクを導入したり温水が出るようにしたりすることで、利用者はいつでも快適に愛車のケアができるようになります。
絵画やクラフト作業など、創作活動においても同様です。こぼれたペンキや粘土のカスなど、クリエイティブな作業による汚れを考慮して、水回りを工夫することが重要です。

水回りの設備が充実したガレージは入居者にとって魅力的であり、ガレージハウスにとっても他と差別化するポイントになり得ます。

空調設備の設置

趣味人の居住空間として機能させるため、空調設備についても考慮しましょう。
快適な室温が作業効率や滞在時間の質に直結します。熱波を感じる夏、冷え込みが厳しい冬に、ガレージ内が適正温度に保たれているという点は、重要な付加価値となってきます。

エアコンの設置は、ただ単に快適性を高めるだけではありません。気温の変化によって生じる湿度の問題を軽減させることができるため、錆びやカビなどのトラブルを未然に防ぐ効果もあります。湿度管理が可能な空調設備は、ガレージハウスが有する唯一無二の魅力をさらに際立たせる要素なのです。

防音設備の設置

賃貸ガレージハウスは魅力あるプライベートスペース。しかしながら、趣味活動の騒音は、他の入居者や近隣住民にとって大きな悩みの種となります。防音設備の整え方ひとつで、快適な居住空間を守り、トラブルを回避することができます。

防振材の使用は振動と騒音を大幅に軽減し、周囲への影響を最小限に抑えます。新築時に適切な防振材を選ぶことは、長期に渡り入居者と周囲との円滑な関係を保つために極めて重要です。

こうした防音対策は、居心地の良さを追求し、長期的な居住を促進します。同時に、周辺の住環境への配慮が集客力を高める要因にもなるでしょう。

床・壁の素材を汚れに強いものや臭いを吸収しやすいものに

入居者の利用シーンを想定し、汚れや臭いが気になりにくい床・壁素材を選ぶことで、居住性と利便性の両面を高めることができます。

ガレージ内でのメンテナンスや整備の際は、油の飛び散りや水の飛沫は避けられないため、壁には掃除がかんたんで油分をはじく塗料を用いることが望ましいでしょう。床材に関しては、防水性および耐油性のある素材が理想的です。セメントベースの塗装や特殊な樹脂コーティングを施すことで、洗車時などに水が浸透するのを防ぎ、長期にわたって清潔さを保つことが可能です。また、不快な臭いを軽減するために、臭いを吸収しやすい素材を壁面に使用することで、一定の解決ができます。

建築費以外も!ガレージハウスの建設にかかる費用とは?

これまであげてきたガレージハウスの魅力、設計の注意点について述べてきました。

では、具体的にかかる費用とはどれくらいいなのか? 建設費以外の費用もかかりますのでご注意ください。

建築費

賃貸ガレージハウスの建築費は大きく分けて、土地の形状や地盤の状況に適した地盤改良工事、ガレージと居住空間を作るための建築本体工事、それ以外にかかる外構付帯工事などの細かい部分にまでわたります。

建築本体工事費の具体的な数値を挙げると、ガレージハウスを建築する際の坪単価は80万円から100万円ほどが相場となっていますが、これにはさまざまな要因が影響を与えるため、一概にはいえません。

さらに、新築住居を供給する事業者に加入が義務付けられている住宅瑕疵担保責任保険に10万円から30万円かかります。

設計費

設計に費やされる金額は、設計者の経験や技量、プロジェクトの複雑さによっても異なりますが、一般的には本体工事のおおよそ10%程度を目安に考えられることが多いです。加えて、工事完了後に建築確認申請諸費用として、10万円から50万円かかります。

設計には重要な課題が伴います。ターゲット層のライフスタイルに合わせた設計が求められるため、専門的な知識と経験を持つ設計者の役割は非常に大きいのです。

調査費

賃貸ガレージハウス経営を成功させるには、設計や施工にかかる費用だけでなく、事前の調査費にも目を向ける必要があります。調査費とは、敷地の状況や法的な制約を踏まえた上での測量費用、地盤調査費用など、建設前に必要となるさまざまな調査にかかる費用のことを指します。

地盤調査費、測量士立会いのもと、現況の土地の面積、地盤レベル、道路幅員などを明確にする測量費がかかります。それぞれ10万円~50万円が相場といわれています。

その他

これまでに挙げた建築費、設計費、調査費の他に、以下のような費用がかかることが想定されます。

  • 解体費用(建物がある場合)
  • 印紙代
  • 火災保険料
  • 建物保存登記の登録免許税
  • 抵当権設定の登録免許税
  • 司法書士手数料
  • 融資事務手数料
  • 不動産取得税

ガレージハウス建設にかかる諸経費について、詳しく知りたい方はお気軽にお問い合わせください。

ケーススタディ ~立地や地形から、適したガレージハウスを考えてみよう!

実際、自分が所有する土地に、ガレージハウスを建てられるのか?疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。ここでは例を挙げ、どんなガレージハウス建築が適切か解説します。一般的なアパート・マンション経営には不向きな土地もガレージハウス経営なら活用が可能です。

ケース1/駅から遠いがバス通りが近い住宅街にある土地

バス通りなど、交通量が多い道路が近い場合、排ガスなどの臭い対策を講じなければなりません。設備として脱臭機能を有した換気扇を設け、設計として、トラブル回避のため、排ガス排気方向を住宅地に向けないなどの対応策を考える必要があります。

また周辺の住宅の密度にもよりますが、騒音対策として鉄筋コンクリートの防音壁にするのがベターでしょう。加えて、防音シャッターを採用するなどの設備面での工夫も必要となります。

駅から遠い街道沿いは、一般住宅地とすれば不便がかもしれません。しかしガレージハウスに入居される人は、車やバイク移動が基本です。主要幹線道路が近い立地は、ドライブ、ツーリングに出かける場合は逆にメリットになります。

ケース2/賑やかな繁華街にほど近い小ぶりな土地

このような立地となると、入居者としてシングル、または子どもを持たない共働き夫婦が想定されます。土地が小規模になるため、建築コストは総額として抑制方向になりますが、割高にはなります。

しかし、住宅周辺の利便性が高いので、シングル、共働き夫婦は1日の食事を外食で済ますことも少なくないでしょう。こういったターゲット層の場合、キッチンなどの設備は最小限でも不都合がない場合があります。また浴室もユニットシャワー程度で良いというシングルの入居者もいることでしょう。

また建物が密集している住宅地となると、街並みにそろえたデザインが必要があります。奇抜なものは避けて、周りの住環境に溶け込んだ外観にすることが大切です。

ケース3/坂道沿いにある傾斜地

まず傾斜地に建築する場合、平地に比べて基礎工事の費用が増えます。土地を平坦にするための整地費用にくわえ、事車両の出入りや資材の運搬などにもコストがかかることが、その要因です。平坦地に建築する場合と比べ、1.5〜2倍ほどのコストを考えたほうが良いと思います。 

 しかしながら、こういった不利な条件あるものの、土地の段差を活かし、車を1階のガレージに入れて、坂を登り2階から直接住居に入るといったガレージハウスの建築プランも考えられます。傾斜地では、こういったユニークな構造、利便性の高い設計ができる可能性があるということは、他にはないメリットです。他物件との差別化も図ることができ、希少価値を生み出すことができます。 

[図解/表]ターゲットとポイントの一覧表 

  車・バイク好き  創作活動がしたい  トレーニング目的  子どもの遊び場に 
ガレージ・居住スペースの広さ         
日当たりや風通し         
寝室との位置関係         
居住スペースから見えるガレージ         
外壁素材の経年劣化対策         
電動リモコンシャッター対応         
水回り対策         
空調設備         
防音設備         
床・壁素材の汚れ臭い対策         

 

まとめ

昨今注目されているガレージハウス経営の基本をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

一戸建て、アパート・マンション経営とは違った新しい土地活用だということもあり、経営面、設計面、費用面なども、一般住居とは違った考え方が必要なことがお分かりいただけたかと思います。

しかしながら新たな投資物件として、土地活用として魅力的であることは間違いありません。本記事をご覧になってガレージハウスのオーナーになりたいと思われた方は、賃貸ガレージハウス「プレミアムガレージハウス」を展開しているフィル・カンパニーへご相談ください。プレミアムガレージハウスは現在、首都圏・関西・中部・九州エリアを中心に、全国に360戸(2021年9月末竣工済み)を超える物件がありますが、本記事で解説してきたように、昨今の賃貸ガレージ需要から、物件が足りていない状況です。また、独自の「入居待ち登録システム」があり、新築物件や空室ができるとすぐに埋まる傾向があります。

賃貸ガレージハウス経営にご興味を持たれた土地オーナー様は、ぜひ一度お問い合わせください。
この記事の監修者

垣内 典之

株式会社 PROPUP 代表取締役/一級建築士

石川県金沢市出身。千葉大学大学院修了(建築学)。建築設計監理からキャリアをスタート、環境性能に係る設計審査業務、企業不動産(CRE)戦略、ファシリティマネジメント(FM)コンストラクションマネジメント(CM)等を経験。建築・不動産・ITを横断的に繋げ、高次元のプロパティ・マネジメントを実現するべくPROPUPを設立。

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