名古屋市の中心部、高層ビル群に囲まれた大交差点に佇む駐車場の更なる活用を目指して、フィル・パーク名古屋久屋大通が企画された。
駐車場は、景気変動の影響を受けにくく、かつ賃料がゼロにはならない安定した土地活用方法。その安定力と収益力を更に高める策こそ「駐車場を残しながら上部空間を構築・活用すること」なのだが、 2階以上を創ろうとすれば駐車場やその収益力が縮小される…というのが定番の課題だ。名古屋久屋大通のオーナーもまた、それらを両立させられる提案を望んでいた。
完成したのは、26台から25台へ、たった1台しか減らさずに駐車場を残しながら、魅力的な上部空間を創り出した完全空中3階型。土地や条件に合わせた建物の小型化で“投資回収のし易さ”を満たしている。交差点に向かってダイナミックに構えられたガラス面や3階に設けられたテラスも特徴的だ。
「3階のテナント誘致は難しい」と考えられがちだが、それは違う。“営業状態を見えやすくするガラス面”や“開放感のあるテラス席”など、集客力を生み出すための多様な仕掛けに“2階よりも安い賃料設定”というメリットを重ねることによって「テナントに選ばれる3階」を成立させることが可能となるのだ。