フィル・パークKaguLab.IIDABASHI

外観美と機能美を巧みに成立させた、準空中3Fモデルの理想形。

飯田橋はJRほか地下鉄4線が乗り入れる交通の要所であるとともに、東西両側の開発を経て生活・文教・商業/ビジネスと充実するまちだ。駅の西側近くにそびえる大型オフィスビルを超えた細道沿いにフィル・パークKaguLab.IIDABASHIは企画された。飲食店などの小型店舗が立ち並ぶ中、遠くから見ても存在感を感じられる。敢えて一部を窪ませて空きを作る「L字型」の手法が建物の持つ“角の美しさ”を際立たせ、また独特の奥行き感を形作っているのだ。表側に設けられた１台分の駐車スペースは、「ここに駐車場がある」という訴求策であり、入り口からは建物奥まで駐車場が続いていると確認できる。
内部は区分けされており、「部分的に使う・フロア単位で使う」など多様なテナントニーズを想定した設計となっている。土地や建物が大きくとも、様々なサイズでの借り方が可能であれば、誘致できるテナント母数を多く持てるということだ。視覚的な美しさと機能的な美しさ、ともに理想形を追い詰めた準空中型と言えるモデルである。