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2024.08.07 土地活用

家の解体費用相場【20坪〜200坪まで】と自治体の補助金など費用を相場より安く抑える方法を解説!​

この記事の監修者
垣内 典之一級建築士垣内 典之

家の解体を検討されている方にとって、費用の相場やコストを抑える方法は大きな関心事ではないでしょうか。本記事では、家の解体の基本知識から費用相場、費用を抑えるコツまで、幅広くご紹介します。 また、解体後の土地活用についても触れていきますので、将来を見据えた計画立案にお役立てください。 

家の解体の基本知識と費用の構成要素​

家の解体費用は、単に建物を取り壊すだけでなく、さまざまな要素で構成されています。おもな費用の内訳としては、解体工事費廃棄物処理費諸経費などが挙げられます。 

解体工事費は、建物の構造や規模によって大きく変わるため、解体費用の相場を把握することが重要です。また、同時に立地や建物の設計など個々の案件によって費用が大きく異なる可能性があることも覚えておきましょう。 

規模については、坪数が大きければ比例して費用はかさみます。また、家の中でもとくに造りが頑丈な基礎部分が大きいと、解体費用が高額となります。建物の構造による影響は以下のように分類されます。 

構造

家の解体費用は、建物の構造によって大きく異なります。ここでは、木造、鉄骨、鉄筋コンクリートの3つのおもな構造について、解体方法の違いとそれぞれの費用相場を解説します。 

木造

木造建築物は、建物構造の中でもっとも一般的なもので、解体も比較的容易です。木造の解体方法は主に以下の流れで行われます。 

⚫︎ 内装材の撤去
⚫︎ 屋根材の撤去
⚫︎ 外壁材の撤去
⚫︎ 柱や梁などの構造材の解体
⚫︎ 基礎の撤去 

木造住宅の解体費用相場は、建物の規模が大きくなるにつれて1坪あたりの単価は下がる傾向ありますが、建物の状態や立地条件によっても変動します。平均的な相場は以下のとおりです。  

【木造住宅の解体費用相場】

20 

80万〜120万円 

50 

150万〜250万円 

100 

250万〜450万円 

また、木造住宅は建てられた年代によって解体作業の難易度が変わり、耐震性が低い場合などは危険防止の対応が必要となるため割高となる場合があります。 

鉄骨造​

鉄骨造の建物は、木造に比べて解体に専門的な技術と機材が必要となります。おもな解体の流れは以下のとおりです。 

⚫︎ 内装材の撤去
⚫︎ 外装材の撤去
⚫︎ 鉄骨部分の切断・撤去
⚫︎ 基礎の撤去 

鉄骨造住宅の解体費用相場は、木造よりも高くなり、以下の価格が相場となります。鉄骨の切断や処理に特殊な機材や技術が必要なため、費用が上がります。 

​【鉄骨造住宅の解体費用相場​】

20 

120万〜180万円 

50 

250万〜350万円 

100 

450万〜650万円 

 

鉄筋コンクリート造

鉄筋コンクリート造(RC造)の建物は、もっとも解体が難しく、費用も高くなります。解体のおもな流れは以下のとおりです。 

​​​⚫︎ 内装材の撤去
​​⚫︎ 外装材の撤去
​​⚫︎ コンクリートの破砕
​​⚫︎ 鉄筋の切断・撤去
​​⚫︎ 基礎の撤去 

RC造住宅の解体費用相場は、コンクリートの破砕に大型の重機が必要で、作業も時間がかかるため、費用が大幅に上がります。 

【RC造住宅の解体費用相場​】

20 

200万〜300万円 

50 

400万〜600万円 

100 

700万〜1,000万円 

実際の費用はさまざまな要因で変動するため、複数の業者から見積もりを取ることが重要です。 

立地

家の解体費用は、立地条件によって大きく変わることがあります。ここでは、立地が解体費用にどのような影響を与えるのか、具体的に見ていきましょう。 

 都市部と郊外では、解体費用に差が出ることがあります。都市部では重機の作業スペースや車両の駐車スペースの確保が難しかったり、騒音規制が厳しかったりするため、費用が高くなる傾向があります。一方、郊外では比較的作業がしやすいため、費用を抑えられる可能性があります。 

また、アクセスの良し悪しも重要な要因です。大型車両が入りにくい狭い道路や、傾斜地などでは、特殊な機材や追加の人員が必要になることがあり、費用が上がります。具体的な相場の違いを見てみると、例えば50坪の木造住宅の場合、都市部では200万〜300万円程度かかることがありますが、郊外では150万〜250万円程度に抑えられる可能性があります。 

 正確な見積もりのためには、解体業者に現地調査を依頼し、現地へのアクセスや作業環境について詳細に確認してもらうことが大切です。 

廃材の量(産業廃棄物)​

解体工事で発生する廃材の量は、費用相場に大きな影響を与えます。木くずなどの処理費用は安く抑えやすい一方、タイル片、コンクリート塊などの重い廃棄物の処理費用は高くなる傾向です。 また一般的に、廃材の量が多いほど処理費用が高くなります。例えば、100坪の木造住宅と同じ100坪の鉄筋コンクリート造では、後者の方が廃材の量が多くなるため、処理費用が高くなります。 

具体的な相場の違いを見てみると、50坪の木造住宅の場合、廃材処理費用は30万〜50万円程度ですが、同じ50坪の鉄筋コンクリート造では50万〜80万円程度かかることがあるでしょう。その他、家屋内に家具などが残っている場合、それらも含めて解体を依頼すると費用が高くなります。

2000年に制定、2002年に施行された「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律建設リサイクル法)」により、種類によっては手作業で分別することが決まっている工程もあるため、解体工事で発生した廃棄物などをまとめて処理することが難しくなったためです。 一般的な2階建ての木造住宅(30坪)を解体した場合、家財がそのままであれば4トントラックで​​5~10​台分の産業廃棄物が出ます。

また、産業廃棄物に関する価格の変動要因として、解体場所が産業廃棄物処理施設に近い場合、工数が減って価格は安くなります。 

費用を抑えるコツとしては、解体前に不要な家財道具を処分しておくことが効果的です。また、リサイクル可能な材料を分別することで、処理費用を軽減できる可能性があります。こちらは後ほど詳しく説明します。 

付随工事費用​

解体工事には、本体の解体以外にもさまざまな付随工事が発生することがあります。付随工事費用は、全体の費用に影響を与えることがあるため、注意が必要です。
おもな付随工事は以下のとおりです。

おもな付随工事>
⚫︎ アスベスト調査・除去工事
⚫︎ 給排水設備の撤去・切り離し工事
⚫︎ 電気・ガス設備の撤去・切り離し工事
⚫︎ 樹木の伐採・抜根・撤去
⚫︎ 外構の撤去(フェンス、門扉など) 

前述の家屋内の残置物処分は、1平方メートルあたり1万円程度必要です。また、外構でもブロック塀の解体は1本1万円程度、庭木の撤去は1平方メートルあたり​2,000​~​3,000程度と、意外と高額になる可能性があります。 

これらの付随工事の有無や規模によって、費用相場は大きく変わります。例えば、建材にアスベストが使用されている場合、除去費用だけで数十万円から数百万円かかることもあります。 

具体的な相場の違いを見てみると、50坪の木造住宅で付随工事がほとんどない場合は、150万〜250万円程度で済むこともありますが、大規模な付随工事が必要な場合300万〜400万円以上かかることもあるでしょう。 

費用を抑えるコツとしては、事前に自分でできることは進めておくことが重要です。また、複数の業者から見積もりを取り、付随工事の内容と費用を比較検討することをおすすめします。 

その他諸経費​

解体工事には、直接的な工事費用以外にもさまざまな諸経費がかかります。諸経費が全体の費用相場に影響を与えることがあるので、見落とさないように注意しましょう。 

おもな諸経費は以下のとおりです。

おもな諸経費>
⚫︎ 許可申請費用
⚫︎ 近隣挨拶・説明会費用
⚫︎ 仮設工事費(足場の設置など)
⚫︎ 養生費(粉塵対策など)
⚫︎ 交通誘導員費用 

上記の他に現場管理費(現場監督の人件費・現場の雑費)や書類作成費、損害保険料などが加算されることがあります。 

これらの諸経費の内容や金額は、解体する建物の規模や立地条件、地域の規制などによって変わってきます。例えば、都市部で交通量の多い場所では、交通誘導員の配置が必要となり、その分費用が上乗せされます。 

具体的な相場の違いを見てみると、50坪の木造住宅の場合、諸経費が少ない郊外では全体の10〜15%程度で済むこともありますが、都市部や規制の厳しい地域では20〜30%程度かかることもあるでしょう。 

費用を抑えるコツとしては、解体業者に諸経費の内訳を詳しく確認し、必要性を精査することが大切です。 

解体業者への報酬​

解体工事の見積金額は、解体業者によって変わるため、複数の業者の見積もりを比較することが大切です 解体業者の報酬は、一般的に工事全体の10〜20%程度と言われていますが、業者によって大きく異なることがあります。例えば、50坪の木造住宅の解体で総額200万円の場合、業者報酬は2040万円程度になります。

ただし、単に安い業者を選ぶのではなく、以下のポイントを考慮して選ぶことが重要です。 

⚫︎ 実績と評判
⚫︎ ​保有する資格や許可
⚫︎ ​安全対策や環境配慮への取り組み
⚫︎ ​アフターフォロー体制 

費用を抑えるコツとしては、複数の業者から見積もりを取り、内容を比較検討することが大切です。その際、単に総額だけでなく、工事内容の詳細や使用する機材、作業員の人数なども比較しましょう。 

家の解体の費用相場を左右する要因​

ここまで説明した基本的な項目の他、さらに解体費用の相場を左右する要因についてご紹介します。費用相場を左右する要因を理解することで、より正確な見積もりを得られるでしょう。 

立地条件と周辺環境が解体費用相場に与える影響​

先ほどご紹介した一般的な立地状況の他にも、周辺環境が解体費用に影響を与える特殊な事例が存在します。あなたの土地もこれらに当てはまるかもしれません。 

海岸沿いの地域​
塩害対策が必要な場合があり、特殊な解体方法や処理が求められることで費用が上がる可能性があります。

●​​文化財や歴史的建造物の近く​
慎重な解体作業が求められ、振動や粉塵の制御に特別な対策が必要となり、費用が増加する可能性があります。

商業地域
営業中の店舗や事務所への配慮が必要で、作業時間の制限や騒音対策などにより費用が上がることがあります。

豪雪地帯
雪の影響で作業が制限されたり、特殊な機材が必要になったりすることで、費用が増加する可能性があります。

地盤が軟弱な地域
重機の使用に制限がかかり、特殊な工法が必要になることで費用が上がる可能性があります。

高層ビルが密集する地域
クレーンの使用に制限がかかったり、特殊な解体方法が必要になったりすることで、費用が増加する可能性があります。 

 上記の他、屋外の工事のため、豪雨や酷暑による天候の要因で費用や工期に影響が出るケースも考えられます。 

廃材処理と再利用:コストと環境への配慮​

解体工事で発生する廃材の量が多いほど処理費用は高くなりますが、リサイクル可能な材料を適切に分別することで、処理費用を軽減できる可能性があります。例えば、木材や金属類は再利用が可能なため、適切に分別し、リサイクル業者に引き取ってもらうことで廃棄物処理費用を抑えられます。 

具体的な相場の違いを見てみると、50坪の木造住宅の場合、廃材処理費用は3050万円程度ですが、リサイクル率を高めることで20万〜40万円程度に抑えられる可能性があるでしょう。 

リサイクルでコストダウン(50坪の木造住宅の場合)

廃材処理費用 

リサイクル率を高めた場合 

30万〜50万円程度 

20万〜40万円程度 

解体業者を選ぶ際は、廃材の適切な処理方法や、リサイクルへの取り組みについても確認しましょう。環境に配慮した解体工事を行うことで、地域社会への貢献にもつながります。 

アスベスト対策など特殊工事を必要としない追加費用​

20224月から、解体する建物にアスベストが含まれていないかを事前調査したうえで、労働基準監督署と自治体に報告することが義務付けられました。 アスベスト対策などの特殊工事が必要になると、解体費用は大幅に上昇します。(ただし、2006年9月以降に建てられた住宅では、アスベストの使用が全面禁止されているため、特殊工事が必要となるケースは比較的少なくなっています。) 

 アスベスト対策の他、追加費用が発生する可能性のある工事としては、以下のようなものがあります。 

⚫︎残置物の処分費用 
家具や家電など、建物内に残されたものの処分にかかる費用

⚫︎ 地中埋設物の撤去費用
浄化槽や地下タンクなどが埋設されている場合、その撤去費用

⚫︎ 整地の処理 
地面の均しや、重機で踏み
固める転圧作業の有無
⚫︎ 土壌汚染調査・対策費用 
工場跡地などでは必要になる可能性がある

⚫︎ 仮設工事費用 
足場の設置や防音シートの設置など、解体作業に必要な仮設工事の費用

⚫︎ 近隣対策費用 
近隣住民への説明会開催や、粉塵対策などにかかる費用

⚫︎ 許可申請費用 
解体工事に必要な各種許可申請にかかる費用

⚫︎ 道路使用料
解体作業中に公道を使用する場合の費用

⚫︎ 解体後の整地費用
更地にする際の整地や砂利敷きなどの費用 
 

これらの追加工事の有無によって、費用相場は大きく変わります。

費用を抑えるコツとしては、事前に建物の状況を詳しく調査し、必要な追加工事を把握しておくことが重要です。また、複数の業者から見積もりを取り、追加工事の内容と費用を比較検討することをおすすめします。

解体工事の流れと必要な許可申請​

の解体を検討しているものの、解体工事の流れや手続きが分からないという方も多いでしょう。ここでは、解体工事の流れや必要な許可申請について解説します。 

現地調査

現地調査は解体工事の第一歩です。専門業者が建物の状態、周辺環境、アクセス路などを確認します。この段階で、アスベストの使用有無、特殊な解体方法の必要性、廃棄物の量などを見積もります。

また、近隣への影響を考慮し、作業時間や騒音対策などの計画を立てることも重要です。調査結果に基づいて、より正確な見積もりと工程表が作成されます。 

家屋調査

家屋調査では、建物の構造や使用材料、設備の状況などを詳細に調べ、調査結果に基づき、解体に必要な機材や人員、工法を決定します。
また、リサイクル可能な部材の特定や、危険物の有無なども確認が必須です。家屋の履歴や図面なども参考にしながら、安全かつ効率的な解体計画を立てるための重要な情報を収集します。 

解体準備

解体準備段階では、必要な許可申請や、電気・ガス・水道などの停止手続きを行います。また、建物内の残置物の処分や、解体しない部分の保護措置も実施します。近隣への挨拶や、配管配線の撤去なども事前に行っておく必要があります。
作業員の安全確保のため、仮設足場の設置や防護ネットの取り付けなども行います。また、解体工事のスケジュールを最終確認し、関係者全員で共有します。

解体工事

解体工事は通常、屋根から始まり、上階から下階へと進みます。使用する機材は建物の構造や規模によって異なりますが、一般的にはショベルカーなどの重機を使用します。
作業中は粉塵や騒音の抑制に努めるほか、近隣への配慮も忘れてはいけません。解体の進行に伴い、建材の分別も同時に行います。安全管理を徹底し、計画通りに工事を進めることが重要です。解体工事の期間は解体の規模にもよりますが10日〜2週間程度です。 

廃材処理

解体で発生した廃材は、種類ごとに分別して適切に処理します。木材、金属、コンクリートなど、リサイクル可能な材料は再資源化施設へ、それ以外は産業廃棄物として処理施設へ運搬します。
アスベストなどの有害物質は特別な処理が必要です。廃棄物の量や種類、処理方法は事前に確認・計画し、法令に従って適切に処理することが求められます。 

整地

解体工事完了後、敷地を平らに整える作業を行います。残った基礎や地下構造物を撤去し、必要に応じて土の入れ替えや転圧を行います。雨水の排水を考慮して適切な勾配をつけることも重要です。
また、周辺の道路や隣地との高低差を調整し、境界線を明確にします。将来の土地利用計画に応じて、砂利敷きや簡易舗装を行うこともあります。 

建物滅失登記​

解体工事完了後、法務局に建物滅失登記を申請します。建物滅失登記とは、建物が存在しなくなったことを公的に証明する手続きです。申請には、建物滅失登記申請書や建物滅失証明書(取り壊し証明書)、解体業者の資格証明書などが必要です。 

これらの手続きは複雑な場合もあるため、専門家や解体業者のサポートを受けることをおすすめします。 

坪数と解体費用の関係性​

家屋の坪数と解体費用には、密接な関係があります。一般的に、坪数が大きくなるほど解体費用も増加しますが、単純な比例関係ではありません 

 20坪程度の小規模な家屋の場合、1坪あたりの解体費用は比較的高くなります。これは、解体に必要な基本的な設備や人員配置にかかる固定費が大きく影響するためです。
50坪から100坪程度の中規模な家屋になると、1坪あたりの費用は若干下がる傾向があります。規模が大きくなることで、作業効率が上がり、単位面積あたりのコストが抑えられるためです。 

20坪〜40坪の解体費用相場​

前述の通り、家の取り壊しに必要な解体費用の相場は、坪数や構造などによって異なります。 

20坪〜40の解体費用相場

 

20 

30 

40 

木造 

80万~100万円 

120万~150万円 

160万~200万円 

軽量鉄骨造 

120万~130万円 

180万~195万円 

240万~260万円 

重量鉄骨造 

130万~140万円 

195万~210万円 

260万~280万円 

鉄筋コンクリート造(RC造) 

120万~160万円 

180万~240万円 

240万~320万円 

 

100坪〜200坪の解体費用相場​

200坪を超えるような大規模な建物の場合、特殊な機材や技術が必要となることもあり、1坪あたりの費用が上昇する可能性があります。

【解体費用の相場】
100坪:250万〜450万円
200坪:450万〜800万円

相続した家が古く、買い手が付かないなどの理由から、相続した家を整理するにあたり、解体費用のことを調べている方も多いのではないでしょうか。相続で事前に知っておくべきを、資料にまとめました。ぜひお読みください。 

解体業者の選び方と適正な見積もりの取り方​

解体工事を成功させるためには、信頼できる業者選びと適正な見積もりの取得が欠かせません。ここでは、業者選びのポイントや見積もりの比較方法、費用を抑えるコツなどをご紹介します。 

信頼できる解体業者の選定基準​

信頼できる解体業者を選ぶためには、いくつかの重要な基準があります。
まず、解体工事業の登録を受けているかどうかを確認しましょう。また、過去の実績や顧客の評判、安全対策への取り組みなども重要な選定基準となります。 さらに、アフターフォローの体制や、解体後の土地活用に関するアドバイスができるかどうかも考慮に入れると良いでしょう。 

複数の見積もりを比較する時のポイント​

解体費用の適正価格を知るためには、複数の業者から見積もりを取得し、比較することが重要です。 比較する際のポイントとしては、総額だけでなく、内訳の詳細や作業内容、使用する機材などもチェックしましょう。 

また、工期や安全対策、廃棄物の処理方法なども重要な比較ポイントとなります。単に価格だけでなく、サービスの質や信頼性も含めて総合的に判断することが大切です。 

見積もりを安く​​抑える​​には

解体費用を安く抑えるためには、いくつかのコツがあります。 

自分でできることはやっておく​

まず、解体前に不要な家財道具を処分しておくことで、廃棄物処理費用を減らます。また、リサイクル可能な材料を積極的に分別することも効果的です。 

解体工事の時期とタイミング​

一般的に、解体業者の繁忙期は2月~3です。繁忙期を避けた69月頃または121月頃解体工事を行うと費用を抑えられる可能性があります。ただし、安さだけを追求するのではなく、安全性や品質とのバランスを考慮することが重要です。 

​見積もり​​内訳の詳細確認と追加費用の可能性

見積もりを受け取ったら、内訳を詳細に確認することが重要です。解体工事費、廃棄物処理費、諸経費などの基本的な項目に加え、アスベスト調査費用や特殊工事の費用なども含まれているか確認しましょう。 

また、追加費用が発生する可能性がある項目についても、事前に業者に確認しておくことが大切です。例えば、先ほどご紹介した地中埋設物の撤去や土壌汚染対策など、予期せぬ事態に備えて、どのような追加費用が発生する可能性があるか把握しておきましょう。 

解体業者のホームページなどで「解体工事費:坪単価〇〇万円」といった費用が記載されています。しかし、ほとんどの場合は建物本体の解体工事費用のみ​を指している​ため、廃棄物処理費や付随工事、その他の諸経費を含んだ総額を確認する必要があります。 

家の解体に活用できる補助金と助成制度​

家の解体費用を抑えるための有効な方法の一つが、各種補助金や助成制度の活用です。自治体によって制度の内容や条件は異なりますが、うまく活用することで解体費用を大幅に抑えられる可能性があります。 ここでは、代表的な補助金制度や助成金の活用方法、住宅ローンの利用解説します。また、補助金申請のタイミングや必要書類についても触れますので、解体を検討されている方は参考にしてください。 

自治体別の解体費用補助金制度​

自治体によって、家の解体に関する補助金制度は異なります。一般的に、老朽化した空き家の解体や、危険な建物の除却に対して補助金が出されることが多いです。例えば、東京都江東区では老朽建築物の除去について、解体費用の一部(上限50万円など)を補助する制度を設けています。 

自治体によっては、耐震性の低い建物の解体に対する補助金制度を設けているところもあります。具体的な制度内容は各自治体のウェブサイトで確認するか、直接問い合わせるのが確実です。 

解体業者にどのような補助金があるのかを確認するのも一つの方法です。 

東京都の解体費用助成 

渋谷区:
老朽建築物の除却・建替え支援助成制度
(不燃化特区区域内限定) 

助成対象​​条件​昭和56531日以前に建築された木造または軽量鉄骨造の建築物  など
助成限度​​限​​額:240万円(木造の場合)、320万円(非木造の場合) 

墨田区:
都市防災既存建築物除却助成事業
 

助成対象​​:耐火建築物又は準耐火建築物以外 または 昭和56531日以前に建築された建築物
 助成限度​​額:210万円(木造の場合)、600万円(非木造の場合) 

 

空き家対策に関連する助成金の活用方法​

空き家対策に関連する助成金も、解体費用を抑えるのに役立ちます。例えば、空き家バンクに登録することを条件に解体費用の一部を補助する制度などです。助成金制度は自治体や年度によって実施の有無、制度内容が変わります。最新の情報を確認するようにしましょう。 

​住宅ローンを組む​

解体費用を工面する方法として、住宅ローンの利用も検討できます。解体後に新たな建物を建てる予定がある場合、解体費用と新築費用をまとめて住宅ローンで借り入れできる金融機関があります。
この方法のメリットは、一括で資金を調達できることと、長期間での返済が可能なことです。ただし、住宅ローンを組む場合は、建て替え工事と解体工事をセットで行う必要がある点に注意しましょう。 

​補助金申請のタイミングと必要書類​

補助金の申請は、タイミングが重要です。多くの場合、解体工事の着工前に申請する必要があります。申請が遅れると、補助金を受け取れなくなる可能性があるので注意が必要です。必要書類としては、一般的に以下のようなものが求められます。 

⚫︎ 解体工事の見積書
⚫︎ 建物の登記簿謄本
⚫︎ 解体後の土地利用計画書
⚫︎ 申請者の本人確認書類 

自治体によっては、建物の老朽化状況を示す写真なども求められることがあります。補助金申請の手続きは複雑な場合もあるので、早めに自治体に相談し、必要書類を確認しておくことをおすすめします。 

​家を解体して更地にする必要がある?​

家を解体して更地にするかどうかは、さまざまな要因を考慮して決める必要があります。以下に、解体を検討すべき状況と、解体のメリット・デメリットをご紹介します。 

解体を検討すべき状況​

老朽化が進み、修繕費用が高額になる場合
空き家となっており、管理が困難な場合
相続税対策として土地の評価額を下げたい場合
土地の有効活用を考えている場合 

解体のメリット​

家を解体することのおもなメリットは以下のとおりです。

固定資産税の軽減:建物がなくなることで、建物の固定資産税が不要になる
土地の有効活用:更地になることで、新たな活用方法の選択肢が広が
維持管理費の削減:老朽化した建物の維持管理費がかからなくな
防犯・防災面での安全性向上:空き家による治安悪化や火災のリスクが減少する 

土地の売却を前提に考える場合、建物がないほうが買い手が見つかりやすい場合があります。また、地中埋設物によるトラブルなど、売主としての契約不適合責任があとから発覚するのを回避することもできるでしょう。 

解体のデメリット​​

家を解体することのおもなデメリットは以下のとおりです。

解体費用の負担:解体には一定の費用がかか
住宅用地特例の喪失:更地にすることで土地の固定資産税軽減措置がなくなる可能性
再建築不可のリスク:解体でその土地に家が建てられなくなる可能性 

また、市街化調整区域では解体で更地にすると既存宅地の権利を失って、再建築が不可になるケースがあるため、事前の確認が必須です。 

解体せずに売却することも検討​

保存状態の良し悪しに関わらず、買い手がいれば、解体せずにそのまま売却することも可能です。その場合、通常は解体費用相当額を反映した査定となります。解体を決断する前に、これらのメリットとデメリットを十分に検討し、将来の土地活用計画も含めて総合的に判断することが重要です。また、専門家に相談し、自分の状況に最適な選択をすることをおすすめします。 

相続した土地についてもっとも効果的な土地活用が知りたい方はフィル・カンパニーまでご相談ください。 

解体後の土地活用と将来を見据えた土地活用計画​

の解体を決断する際は、単に建物を取り壊すだけでなく、その後の土地活用まで見据えた計画を立てることが重要です。更地になった土地は、新たな可能性を秘めた資産となります。

例えば、賃貸アパートやマンションの建設、駐車場経営、太陽光発電所の設置など、さまざまな選択肢があります。将来の相続や老後の生計も考慮に入れ、長期的な視点で土地活用を検討することが大切です。 

解体跡地の更地の有効活用について​

解体後の更地を有効活用するには、立地条件や周辺環境を考慮し、最適な方法を選択することが重要です。 

駅前や繁華街であれば、賃貸アパートや商業施設の建設が高い収益を見込めるでしょう。一方、住宅街では戸建て住宅の建設や売却も選択肢となります。また、車やバイク愛好家向けの賃貸ガレージハウスは、都市部や郊外を問わず需要が高まっています。

土地の形状や規模に合わせて、駐車場やコインパーキングの経営も検討できます。重要なのは、地域のニーズと将来の発展性を見極めることです。都市計画法で土地の用途が制限されている事があります。自治体の都市計画図の情報から、所有する土地の用途地域を確認し、「何が作れるか」を知ったら、さまざまな土地活用を検討しましょう。 

将来の相続を考慮した解体と土地活用の戦略​

相続を見据えた解体と土地活用の戦略を立てる際は、相続税の軽減と安定した収益確保のバランスが重要です。とくコンセプトマンション・アパートなどの特殊な賃貸物件は、需要の高さから高い収益が期待できます。また、小規模宅地等の特例を活用すれば、相続税の軽減も可能です。

更地のままでは税金のみがかかって「もったいない」状態となります。専門家に相談しながら、家族の状況や将来の展望に合わせた最適な戦略を立てましょう。 

​賃貸物件の経営を検討しよう​

アパートやガレージハウスなどの賃貸物件は​、安定した収入を生み、相続税などの節税にもつながるうえに、地域の活性化にも貢献できます。 賃貸物件を土地活用の方法として検討して方にこちらの資料をまずお読みください!これから伸びる土地活用、衰退する土地活用のポイントが分かります。 

この記事の監修者

垣内 典之

株式会社 PROPUP 代表取締役/一級建築士

石川県金沢市出身。千葉大学大学院修了(建築学)。建築設計監理からキャリアをスタート、環境性能に係る設計審査業務、企業不動産(CRE)戦略、ファシリティマネジメント(FM)コンストラクションマネジメント(CM)等を経験。建築・不動産・ITを横断的に繋げ、高次元のプロパティ・マネジメントを実現するべくPROPUPを設立。

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