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「世界中を教室に」――Boundless Lifeが「フィル・パーク鎌倉」で実現する新しい学びの形と地域交流
今回は、「フィル・パーク鎌倉」にご入居いただいている、カナダ発のスタートアップ企業「Boundless Life(バウンドレス・ライフ)」のゼネラルマネージャー・堤様のインタビューをお届けします。同社はデジタルノマドファミリー向けの教育・ホスピタリティ事業を展開されています。
世界8カ国でのワクワクする事業内容。そして日本初上陸の拠点として鎌倉を選ばれた理由や、フィル・パークを選んだ決め手、そして地域との温かい交流についてお話を伺いました。

Boundless Life合同会社 ゼネラルマネージャー 堤様
カナダ発・世界8カ国で展開する「Boundless Life」とは?
まずはじめに、「Boundless Life」の事業内容やプログラムについて教えてください。
私たちは「教育」と「ホスピタリティ」を組み合わせたスタートアップ企業として、主に1歳半から14歳までのお子様をお預かりする教育センターを運営しています。
現在、世界8カ国で拠点を展開しており、鎌倉はその最新の拠点です。
私たちのプログラムの大きな特徴は、「3ヶ月(約90日間)」を1学期としている点です。
利用されるご家族は、3ヶ月ごとに世界各国の拠点を移動しながら生活と学習を続けています。例えば、4月から6月までの1学期を鎌倉で過ごした後は、7月からまた別の国の拠点へ移動するといった、新しいライフスタイルを提供しています。
プログラム自体は、北欧・フィンランドの教育モデルやモンテッソーリ教育をベースにしたオルタナティブ教育(※)を導入しています。
現地採用の経験豊かなスタッフや先生たちが各クラスを担当し、子供たちがグローバルな視野を養える環境を整えています。
※オルタナティブ教育: 従来の画一的な学校教育に代わる、個人の主体性や多様な学び方を重視した教育スタイルの総称。

フィル・パークの特徴である全面ガラス張りデザイン。明るい自然光が教室いっぱいに差し込む
「ウォーカビリティ」を重視した立地条件と物件選び
現在、鎌倉拠点にはどれくらいのご家族が滞在されているのでしょうか?
2026年1月〜3月の最初の学期には15家族が参加されました。
そして、4月からの新しい学期では32家族が鎌倉に滞在しながら、お子様をこちらの学校に通わせています。
拠点を開設するにあたり、どのような立地条件や物件選びのポイントがあったのでしょうか?
私たちの事業モデルでは、滞在するご家族がストレスなく現地での生活と学びを両立できることを重視しています。
そのため、滞在時に利用する4つの拠点が「すべて駅から徒歩圏内(20分圏内)」に収まるという「ウォーカビリティ(歩きやすさ・生活のコンパクトさ)」が、立地選定の最も重要なポイントとなっています。
■滞在時に利用する4つの拠点
- 学校(教育センター)
- 住居(コミュニティハウジング)
- コワーキングスペース(親の働く場所)
- ファミリーラウンジ(家族が集い交流する場所)
「大人はリモートワークを行い、子供は学校へ通い、放課後や休日はファミリーラウンジで過ごす」
これらが、徒歩20分圏内で完結し、安全に移動できる環境であることが必須条件でした。

ギリシャ・シロス島拠点にて
教育方針と社会情勢の変化:「世界中を教室に」
なぜこのような「旅をしながら学ぶ」というライフスタイルが生まれたのでしょうか?背景にある教育方針や社会的背景についてお聞かせください。
大きなきっかけとなったのは、コロナ禍(パンデミック)による社会環境の変化です。
リモートワークが急速に普及したことで、場所に縛られずに働けるようになりました。
一方で、社会やテクノロジー(AIなど)が目まぐるしく変化しているにもかかわらず、伝統的な学校教育は何十年も同じ形式のまま変化していないのではないか、という強い問題意識がありました。
「子供がいるから長期間どこにも行けない」という従来の固定観念を壊し、「世界中をもっと教室にできるのではないか」と考えたのが、創業メンバーたちの原点です。
彼ら自身も自分の子供たちに新しい学びの場を与えたいと考え、まずは自分たちの子供を通わせるための学校としてスタートしました。
また、世界情勢や平和への想いも、強く影響しています。
幼少期にさまざまな国に滞在し、異なる文化や人々と触れ合った経験は、子供たちの心に一生残る財産となります。
他国の友達とスポーツをしたり文化を体験したりした記憶があれば、大人になったときに決してお互いを否定し合わないと思うのです。
多様な国で過ごす体験が、平和な世の中を作ることにつながると信じて、教育を提供しています 。

Boundless Lifeは、50か国以上から5,000名を超える参加者を迎え、半数以上がリピーター
なぜ日本初拠点に「鎌倉」を選んだのか?拠点選定の理由と物件探しの課題
世界中に選択肢がある中で、なぜ日本、そして「鎌倉」という場所を選ばれたのですか?
私たちが世界で拠点を選定する際は、いくつかの明確な基準を設定しています。
■拠点選定の基準
- 国際空港(インターナショナルポート)からのアクセスの良さ
- その国の「伝統文化」が凝縮されている小さな「まち」であること
- 海や山などの自然環境・アウトドアアクティビティが豊かであること
大都市ではなく、その国らしさが詰まったコンパクトな「まち」
例えば、ギリシャでは、アテネではなく『シロス島』。ポルトガルでは、リスボンではなく『シトラ』。という歴史的な「まち」を選びました。
アジアの中でも日本は治安が良いこと。そして、日本の中でも、羽田空港からのアクセスが良く、歴史と伝統文化が息づく古都であり、海と山が隣接する自然環境が揃っている「鎌倉」がまさに理想的な場所でした。
物件を探すにあたって、苦労された点はありましたか?
鎌倉という街の構造上「駅近くで、まとまった広いスペースを確保できる物件がほとんど存在しない」という壁にぶつかりました。鎌倉は歴史的に「まち」がコンパクトに形成されており、小規模な店舗物件が主流です。
学校施設として利用できる広さがあり、かつ駅徒歩圏内という条件を満たす物件を探すのは極めて困難でした。
そうした中で、奇跡的なタイミングで巡り会えたのが「フィル・パーク鎌倉」でした。

歴史と伝統文化が息づく古都鎌倉を代表する神社 鶴岡八幡宮
「フィル・パーク鎌倉」を選んだ決め手と魅力
実際に「フィル・パーク鎌倉」をご覧になって、どのような点が決め手となったのでしょうか?
まず第一に、私たちが求めていた広さとロケーションの条件を唯一クリアしてくれたことです。
フィル・パークがなければ、「日本での拠点開設自体が実現していなかったかもしれない!」と思うほど、貴重な存在でした。
実際に使用してみて特に素晴らしいと感じているのは、大きな窓からたっぷりと差し込む自然光です。

開放感あふれる明るい空間は、長時間過ごす子供たちにとっても非常に心地よく、親御さんたちからも大変好評をいただいています。
また、スケルトンから柔軟に内装を設計できたため、子供の年齢に応じた複数のクラスルームや、安全面に配慮したガラス張りの仕切り、さらには給食準備用のキッチンやキッズ用トイレなどを機能的にレイアウトすることができました。
建物自体の耐震性や防災面での信頼度も高く、津波などの災害時にも安全性が確保できる点も、世界中から子供を預かる私たちにとって非常に大きな安心材料となっています。
地域社会との関係構築と、鎌倉に溶け込む暮らし
参加されているご家族(保護者様)は、どのような方々で、鎌倉でどのような生活を送られているのでしょうか?
参加される保護者のみなさんは、『完全リモートワーク』が可能な職種に就かれており、非常に知的好奇心が旺盛な方々ばかりです。単に観光として滞在するのではなく、「その土地の文化や歴史、ルールを真摯に学びたい」という高い意欲を持っています。
鎌倉での生活は、非常にアットホームです。
まちの肉屋さんで買い物をしていると学校の友達家族とばったり会ったり、小町通りを散策しながらお迎えに来られたりといった日常風景が見られます。
大都市にはないコンパクトで安全なまちだからこそ、「一過性の旅行者ではなく、地域住民になったような感覚」を味わいながら過ごすことができています。
地域コミュニティとの交流や、関係構築で取り組まれていることはありますか?
私たちは、単に自分たちだけのコミュニティで閉じこもるのではなく、地域社会へ溶け込むことを何より大切にしています。
例えば、放課後には地元の事業者や専門家のご協力のもと、様々な日本文化アクティビティを提供しています。
■アクティビティ例
- 北鎌倉の有名な窯元による「陶芸教室」(非常に人気のプログラム!)
- 地元の剣道組合の先生方による「剣道体験」
- 建長寺などでの「座禅体験」や茶道、お箸づくり など
また、地域の方々との心温まる交流のエピソードもあります。
当初、新しい建物の完成や多様な国々からやってくる子供たちの声に対して、生活環境の変化や静かな暮らしへの懸念から、少し不安を感じられていた近隣の方がいらっしゃいました。
そこで私たちは直接ご挨拶に伺い、その方が大切に記録されてきた地域の歴史写真などをお見せいただきながら、子供たちへ鎌倉の歴史を教えていただく機会を設けました。
真剣にお話を聞かせていただいた子供たちはすっかり夢中になり、最後には笑顔でハグを交わすなど、地域と歴史を通じたコミュニケーションによって心の距離が一気に縮まりました。
今では通りかかるたびに笑顔で手を振ってくださり、子供たちが建物の植栽へ水やりをする日常の取り組みの際にも、いつも温かく見守ってくださっています。
こうした地域の方々との温かい触れ合いこそが、子供たちにとって何よりの貴重な学びになっています。
■Boundlesslife鎌倉に訪れたご家族様の様子(動画)
※画像をクリックください※
今後の展望と新しい教育の未来
今後の拠点展開や、日本での新たな取り組みについて教えてください。
参加されたご家族からは「もう元の生活には戻れない」という声が多く届いており、リピーター率は、参加者の半数を超えています。
なかには、自国の家を売却してこのライフスタイルを継続されている方もいるほど、強いニーズを実感しています。
海外の会員様からは、冬のシーズンに向けて「日本のパウダースノーを楽しめる雪山エリアにも拠点を作ってほしい」という強い要望をいただいており、今後は日本国内でのさらなる拠点拡大も検討しています。
また、この夏(7月・8月)には、鎌倉や湘南エリアに在住の地元のお子様たちも参加できる「1ヶ月間のサマーキャンプ(サマープログラム)」の開催を予定しています。
地元のお子様と世界中から集まる子供たちが一緒に学び、交流できる場を作ることで、より深い地域貢献と相互理解を実現していきたいと考えています。

最後に
今回、「フィル・パーク鎌倉」にご入居いただいた Boundless Life 様の取材を通じて、フィル・パークが「商業テナントビル」という枠を超え、世界から集まるご家族と地域の人々を結ぶ「新しい学びと交流の場」となっている空間を体感することができました。
私たちのパーパスは、『まちのスキマを、「創造」で満たす。』こと。
「まちのスキマ」に目を凝らし、そこに眠る潜在的なニーズや課題に向き合うことで、その土地にしかない独自の価値と賑わいを創り出していく——。
そして、地域に関わるすべての人々と「共存共栄(Phil)」の関係を築いていくことです。
今回の鎌倉でのBoundless Life様との取り組みは、まさに私たちの目指す空間そのものでした。
フィル・カンパニーは、単なる土地活用にとどまらず、まちのニーズと出店者様の想いを形にし、地域の賑わい創出を実現してまいります。
これからもBoundless Life様と共に、新しい価値を描いていけることを心から楽しみにしています。
お忙しい中、取材させていただき、誠にありがとうございました!
これからも、訪れたご家族の皆様が安心できる空間を維持するためのパートナーとして、建物管理面から全力でサポートさせていただきます。
「Boundless Life」 プロフィール
「世界中を教室に」をテーマにした教育・ホスピタリティ企業。カナダ発のスタートアップとして2021年に開業した同社は、1歳半から14歳までの子どもたちが世界中の拠点で学び続けることができる先進的な教育プログラムを提供している。2026年1月に鎌倉で日本初進出。現在、ギリシャ・シロス島、モンテネグロ・コトル、インドネシア・バリ島、スペイン・アンダルシア、イタリア・トスカニー、ポルトガル・シントラ、ウルグアイ・ラバラの7カ国で事業を展開しており、鎌倉が8箇所目の拠点となる。
【公式リンク】
