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2024.06.25 土地活用成功事例

遊休地を賢く活用するビジネスモデルとは?14個のおすすめ活用方法を詳しく解説

この記事の監修者
垣内 典之一級建築士垣内 典之

遊休地を活用するにはどんな方法がいいのか?お探しの方は多いことでしょう。

使われなくなった土地や、空き地のままになっている土地を遊休地といいますが、そのままにしておくと、固定資産税や維持費の負担だけが残ってしまいます。遊休地は上手に活用することで新たな収入源となります。この記事では、遊休地の基本的な知識から、具体的な活用方法、注意点まで詳しく解説します。

遊休地の基本

これから遊休地の活用方法を検討する場合、遊休地の意味や種類について理解することから始めるといいでしょう。所有する土地の状況にあった活用方法を選べるように、ここでは、遊休地の基本的な知識について解説します。

そもそも遊休地とは

遊休地とは、所有者が明確にいるものの、現在は使用されておらず、放置されている土地のことを指します。以前は農地や工場、住宅などとして活用されていたが、現在は耕作や操業、居住が行われていない状態の土地です。

また、遊休土地と呼ばれる土地もあります。遊休土地は、国土利用計画法において定義されており、土地取得後2年以上利用されていない一定面積以上の土地で、都道府県知事が利用をとくに促進する必要があると認めたものを指します。

遊休地と遊休土地は、どちらも有効活用されていない土地という点で共通しており、地域や周辺環境に合わせた活用をすればメリットを得られる反面、放置しておくとデメリットが発生してしまう可能性があります。

遊休地の特徴を理解し、適切な対応をとることが重要です。



遊休地の種類

土地の利用は、都市計画法の用途地域や自治体の条例などで規制されており、遊休地に限らず土地の活用には一定の制限が設けられています。

ここでは、遊休地を大きく、宅地、農地、商工業地に分け、それぞれどのような建物を建てられるか解説します。

宅地

宅地は、住宅や店舗、事務所などの建物を建てられる土地です。

住宅を建てられる地域では、戸建て住宅や2~3階建てのアパート、お店を建てられる地域では、飲食店や小売店、事務所などが建てられるのが一般的です。建てられる建物の種類や大きさは、地域によって異なり、都市計画法や条例によって定められています。

田舎の宅地は、都市圏と比べると規制は緩やかですが、自治体によって条例等が関係してきますので、注意が必要です。

農地

農地は、田や畑などで農作物を育てるための土地です。

遊休地をそのまま農地として利用する場合は問題ありませんが、住宅用や工場用に変更するには、役所の許可が必要になります。

しかし、農地として優れた土地や、農業振興地域内の土地のように、転用するのが難しいケースもあります。周辺に農地がなくても、農地のまま利用することが定められている可能性もあり、転用を予定している場合には、役所などで確認しなければなりません。転用が認められる場合でも、手続きに時間がかかることがあるので、計画的に進める必要があります。許可が下りれば、農地を住宅や店舗、工場などに変更して利用できます。

商工業地

商工業地は、工場や倉庫、事務所などを建てられる土地です。

とくに工場が密集する地域では住宅を建てられないのが一般的です。ただし、地域によっては、工場だけでなく、住宅やアパート、店舗も建設できますが、住環境にはあまり期待できません。住宅と工場が混在すると、騒音や大気汚染などの問題が起きやすいので、建物の配置には十分な注意が必要です。商工業地では、地域の産業振興を目的に、税金の優遇措置を設けている自治体もあります。

遊休地を商工業地として活用する際には、各種優遇制度の有無も確認しておくとよいでしょう。

遊休地活用のメリット

遊休地を有効活用することには、さまざまなメリットがあります。

ここでは、その中でもとくに重要な3つのメリットを紹介します。

第2の収入源確保に繋がる

遊休地を活用することで、本業以外の新たな収入源を確保できます。たとえば、遊休地を駐車場やトランクルームにして貸し出せば、賃料収入を得られます。

また、遊休地を農地として活用し、農作物を栽培・販売すれば農業収入を得られますし、農業を営むのが難しければ、農地を貸し出して、賃料を得ることも可能です。

このように遊休地の活用方法によっては、事業としての収益性を期待できます。遊休地をそのままにせず、有効活用することで、本業の収入に上乗せすることができ、土地所有者に経済的なメリットをもたらします。

なお、農地を貸し出す場合も、原則として、農業委員会に申請し、許可を得る必要があります。許可を得ずに貸し出した場合は無効となりますので、注意しましょう。

節税効果を見込める

遊休地の活用は、税金面でのメリットにもつながります。たとえば、遊休地を駐車場にした場合は、その初期費用を、立体駐車場なら建物として17~38年間、平面駐車場なら構築物として3~15年間、​減価償却費として経費計上できます。

立体駐車場なら建物に該当し17~38年間、平面駐車場なら構築物として3~15年間を経費にできます。減価償却費は、支出を伴わない経費で、税務上の課税所得が減少し、結果として納税額を抑えられる可能性があります。

また、遊休地を農地として活用すれば、農地に対する固定資産税の軽減措置を受けられます。農地は宅地に比べて固定資産税が安いため、税負担を軽減できます。逆に、農地を1年以上利用しない耕作放棄地や農地として利用されていない遊休農地に該当すると、通常の農地よりも固定資産税額が高くなります。

遊休地を活用することで税制上の優遇措置を受けられ、節税効果により、長期的にメリットを受けられます。

地域社会への貢献

遊休地の活用は、土地所有者に経済的なメリットをもたらすだけではなく、地域社会への貢献にもつながります。

放置された遊休地は、景観の悪化や不法投棄、犯罪の温床になるなどの問題を引き起こす可能性があります。近年、空き家の問題も指摘されていますが、土地においても、地域の生活環境や治安の悪化に繋がるおそれがあります。しかし、遊休地を有効活用し管理することで、こうした負の影響を防ぐことができます。

さらに、遊休地を地域のニーズに合った施設やサービスの提供に役立てることで、地域の利便性や魅力の向上にひと役買うことができます。遊休地の活用は、地域社会の発展と活性化に貢献する取り組みとしての評価につながります。

フィル・カンパニーでは、所有している遊休地の特性を見極め、最適な土地活用法についてご提案します。一見活用が難しい土地でも、活用法によっては大きな収益を上げられる可能性があります。売却を検討する前に、ぜひ一度ご相談ください。

遊休地を放っておくデメリット

遊休地を活用することによるメリットを紹介しました。一方、放置することにはさまざまなデメリットが存在します。

遊休地の保有者は土地を管理する一定の責任と義務を生じます。ここでは、遊休地放置によるデメリットを2つ紹介します。

維持費・管理費がかさむ

遊休地の活用を開始までの期間だけであってたとしても、放置しておくと、必要な時に大規模な草刈りや清掃などを実施しなければなりません。自分で行う場合は時間と労力が必要ですし、業者に依頼すれば費用がかかります。また、不法投棄などのリスクも高まります。

遊休地を長期間放置し、管理を怠ると、雑草の繁茂や不法投棄などによって、土地の状態が悪化するおそれがあります。放置された土地をもとの状態に戻すためには、多額の費用がかかるだけでなく、遊休地を活用したくても目的を達成できない可能性もあります。

長期的な遊休地の放置は、維持費・管理費の増大に繋がり、土地所有者の経済的負担を重くするリスクがありますので、できる限り早めの対応が求められます。

近隣トラブルに繋がるリスク

遊休地を適切に管理せず、放置しておくと、近隣住民とのトラブルに発展する可能性があります。雑草が伸び放題になった土地は、見た目が悪いだけでなく、害虫や野生動物を呼び寄せる原因になり、近隣へと拡大します。

また、遊休地が不法投棄の温床になったり、不審者が侵入したりすることで、地域の治安悪化に繋がるリスクもあります。

このような問題が発生すれば、近隣住民から苦情を受けるだけでなく、行政から改善を求められる可能性もあります。場合によっては、土地所有者の責任が問われ、法的な対応を迫られるかもしれません。

放置された遊休地は、所有者にとっても、地域社会にとっても、マイナスの影響が大きいといえるでしょう。遊休地の問題点を認識し、早めに対策を講じることが重要です。

遊休地の活用を決める3つの条件

遊休地を有効活用する際には、いくつかの重要な条件を考慮する必要があります。ここでは、遊休地の活用方法を決定する際の、とくに重要な3つの条件について解説します。

用途地域などの法規制

遊休地の活用方法を決めるうえで、まず確認すべき条件が、その土地に適用される用途地域などの法規制です。用途地域とは、都市計画法に基づいて定められる13種類の地域区分のことで、それぞれの地域で建築可能な建物の用途や規模が規定されています。

たとえば、第一種低層住居専用地域では、小規模な店舗や事務所を除き、住宅以外の用途の建物を建てることができません。一方、工業地域では、住宅や学校、病院などの建設が制限されています。

また、用途地域以外にも、建ぺい率や容積率、高さ制限など、さまざまな法規制が設けられている場合があります。これらの規制は、地域によって異なるため、遊休地の所在地を管轄する自治体に確認することが重要です。

法規制を無視した土地利用は、建築許可が下りない、あるいは違法建築となるリスクがあるため、注意が必要です。遊休地の活用方法は、法規制の範囲内で検討することが大前提となります。また、自治体によって、遊休地活用に関する独自の規制や支援制度を設けている場合もあります。事前に自治体の担当部署に相談し、手続きや規制について確認しておくことが重要です。

土地の広さ

遊休地の活用方法を決める際には、土地の広さも重要な条件の一つです。土地の面積によって、建築可能な建物の規模や、実現可能な事業の種類が異なってきます。

たとえば、数百㎡程度の小規模な土地であれば、戸建て住宅や小さな店舗、駐車場などに適しています。一方、数千㎡以上の大規模な土地であれば、アパートやマンション、大型商業施設、工場などの建設が可能となります。

土地の広さは、事業の採算性にも大きく影響します。広い土地を有効活用できれば、規模の経済(※)が働き、収益性が高まる可能性があります。一方、狭い土地では、事業の選択肢が限られ、収益性も限定的となるでしょう。

また、土地の形状も考慮する必要があります。細長い土地や不整形な土地では、建物の配置や設計に制約が生じる場合があります。土地の広さと形状を踏まえて、最適な活用方法を検討することが求められます。

※規模が大きくなると生産量が増え、1単位当たりの費用は減っていくこと

周辺環境・賃貸需要

遊休地の活用方法を決めるうえで、周辺環境と賃貸需要も確認しておきたい条件です。とくに田舎の遊休地の場合、都市部とは異なる視点で分析する必要があります。

田舎の土地利用状況は、ビジネスよりも農業や林業が主体となっていることが多いでしょう。そのため、農業や林業との連携を視野に入れた活用方法が有効な場合があります。たとえば、農家レストランやカフェ、体験型の農園など、地域の特色を生かした事業展開が考えられます。また、高齢化が進む田舎では、介護施設や高齢者向け住宅の需要が見込まれる場合もあります。地域の人口動態や高齢化率を分析し、福祉分野での活用可能性を探ることも重要です。

一方で、田舎の遊休地は、都市部に比べて交通アクセスが限られていることが課題となります。最寄りの駅やバス停からの距離、道路整備状況などを確認し、アクセス面での利便性を評価する必要があります。

賃貸需要については、田舎では都市部ほど高くない場合が多いでしょう。人口密度が低く、企業の進出も限定的なため、オフィスビルやマンションなどの賃貸物件としての活用は難しいかもしれません。

このように周辺環境・賃貸需要を把握し、地域の魅力を活用した事業展開や、ニッチな需要の取り込みなどを考慮しながら、最適な活用方法を選択していくことが肝要です。

土地活用にはさまざまなパターンがありますが、初動を誤って失敗してしまうケースも少なくありません。所有している土地のポテンシャルを最大限に生かすには、土地活用の勝ち筋を知っておくことをおすすめします。

遊休地のおすすめ活用事例14選を一括比較

次の表は、田舎の遊休地を活用したビジネスアイデアとして、14の活用方法を比較したものです。遊休地の活用方法について、それぞれの土地の適正条件、必要な広さ、メリット、デメリットを比較しました。遊休地の所有者が、自分の土地の特性に合った活用方法を選択する際の参考にしてください。

活用法 土地の適正条件 必要な広さの目安 メリット デメリット
コインパーキング 都市部
人通りが多い場所
15㎡/台より 車1台分の広さから始められる 収益性が低い
競合が多い
トランクルーム経営 都市部
住宅地
治安の良い場所
100㎡以上 不整形地でも良い
需要が高まっている
保管物の盗難や火災などの対策・対応が必要
競合が増えている
貸し倉庫・貸し工場 工業地・郊外
大型車両が通行できる場所
100㎡以上 収益性が高い
長期契約を獲得しやすい
安定した需要
建設費が高額
借り手が限定的
法規制による制約
月極駐車場 都市部
住宅地
オフィス街
15㎡/台より 車1台分の広さから始められる 収益性が低い
競合が多い
貸し農園 都市部近郊・郊外
日当たりの良い場所
20㎡/区画より 事業リスクが低い
地域に貢献できる
管理が必要
収益性が低い
資材置き場 工業地域・郊外
大型車両が通行できる場所
とくになし 構造物が不要
低コスト
管理の手間は少なめ
短期間の契約が多い
事業用定期借地 都市部
人通りが多い場所
交通の便が良い場所
300㎡以上 長期的に安定した収入が見込める
契約終了後に更地となる
借り手が限定的
中途解約ができない
賃貸住宅 住宅地
交通の便が良い場所
100㎡以上 収益性が高い
需要が安定している
管理が必要
空室リスクがある
オフィスビル賃貸 都市部
人通りが多い場所
150㎡以上 収益性が高い
需要が安定している
管理が必要
空室リスクがある
店舗経営 交通量が多いエリア
人が集まる場所
100㎡以上 本業として取り組める
直接的な利益を得られる
経営リスクがある
ホテル1棟貸し 観光地
主要都市
200㎡以上 収益性が高い
事業者の撤退リスクが比較的低い
借り手が限定的
福祉施設経営 閑静な場所 300㎡以上 公的補助を受けやすい
社会貢献に繋がる
経営リスクがある
建築費用は高い
土地信託 需要の高い場所 300㎡以上 経営を委任できる
大規模事業に取り組める
節税効果がある
長期間、土地の用途変更ができない
信託会社選びが難しい
等価交換 交通の便が良い場所 300㎡以上 自己負担がない
固定資産税を軽減できる
交換が成立するまでに時間がかかる
権利関係が複雑になる

この表をもとに、自身の遊休地の活用方法について検討していきます。さらに、次の章では、初期費用を抑えられる活用法、経営難易度が低い活用法、収益率の高い活用法に焦点を当て、それぞれの特徴や注意点を詳しく説明します。遊休地の取り扱いについて迷っている方は、ぜひ参考にしてください。

比較的初期費用を抑えられる活用法3選

遊休地の活用には、多額の初期費用を必要とするケースもありますが、投資額を最小限に抑えられる方法もあります。前述の活用事例14選のうち、比較的初期費用を抑えられる活用法を3つ紹介します。

コインパーキング

コインパーキングは、土地が狭くても始められる活用法の一つです。初期費用を抑えられるのが大きな特徴で、遊休地の有効活用法として人気があります。

コインパーキングの設置には、舗装工事や区画線の設置、料金精算機の導入などから始めることが可能です。数百万円の初期投資をして必要な機器を設置する方法(自主管理方式)もありますが、運営会社に一任し、初期費用ゼロで始めること(一括借り上げ方式)も可能です。

また、コインパーキングは、24時間無人で運営できるため、人件費を抑えられるメリットもあります。一方で、競合が多い業界であるため、立地が収益性を左右します。駐車場の需要が見込める場所に遊休地があれば、コインパーキングは有力な選択肢の一つといえるでしょう。土地の有効活用と安定した収入の両立を期待できます。

コインパーキング向きの条件

コインパーキングに適した土地の条件は、以下のようなものが挙げられます。

  • 駅やショッピングセンター、病院などの近く
  • 道路からの出入りがしやすい
  • 周辺に駐車場需要がある
  • 地盤が強固で、舗装工事がしやすい
  • 区画がとりやすく、駐車しやすい形状である

土地の広さは、車1台分からでも始められますが、1台あたり15~20㎡を目安に、10台分の150~200㎡以上の土地があれば、ある程度の収益にも期待できます。

トランクルーム経営

トランクルーム経営は、遊休地を活用したビジネスの一つです。近年、都市部を中心に需要が高まっており、比較的小規模な土地でも始められます。

トランクルームには、コンテナを設置したり、鉄骨造の倉庫を建てるタイプなどがあり、コインパーキングと比べると初期費用は高くなる可能性があります。ただし、1室あたりの面積が小さいため、限られた土地を有効活用できます。

トランクルームは、24時間無人で運営できるため、人件費を抑えられます。また、中長期的にトランクルームを利用する人が多く、収入の安定化につながりやすい特徴があります。一方で、トランクルームは、防犯対策や火災対策など、一定の設備投資が必要です。

遊休地の立地や周辺環境を考慮し、トランクルーム経営の適性を見極めることが重要です。需要が見込める場所であれば、有力な活用法の一つとなるでしょう。

トランクルーム経営向きの条件

トランクルーム経営に適した土地の条件は、以下のようなものが挙げられます。

  • 住宅地や商業施設の近く
  • 交通アクセスが良い
  • 人口密度が高い
  • 治安が良く、防犯面での懸念が少ない
  • 地盤が強固で、建物の建設がしやすい

トランクルームの1室あたりの面積は、1.5~2.5㎡(1帖~1.5帖)程度が一般的です。この広さで、10~20室程度のトランクルームを建設できれば、十分な収益を得られる可能性があります。

貸し倉庫・貸し工場

貸し倉庫・貸し工場は、賃貸住宅と比べると初期費用を抑えられる活用法の一つです。倉庫や工場は、住宅に比べてシンプルな構造であるため、建設コストが低くなる傾向にあります。

また、貸し倉庫・貸し工場は、比較的小規模な面積から建設可能です。100㎡程度の土地があれば、貸し倉庫を建設できます。賃貸住宅には適さない土地でも、活用できるメリットがあります。

ただし、貸し倉庫・貸し工場は、賃貸住宅と比べると、立地による需要の差が大きいのが特徴です。交通アクセスの良い工業地域や、市場のニーズが高い地域でなければ、安定した収益を得るのが難しい場合があります。

土地の条件を見極め、収益性とのバランスを考えながら、検討するといいでしょう。

貸し倉庫・貸し工場向きの条件

貸し倉庫・貸し工場に適した土地の条件は、以下のようなものが挙げられます。

  • 高速道路やインターチェンジに近い
  • 幹線道路に面していて、大型車両の出入りがしやすい
  • 工業地域や準工業地域など、建築規制が緩やか
  • 地盤が強固で、大規模な建物の建設がしやすい
  • 周辺に住宅地が少なく、騒音や振動の影響が出にくい

土地の広さは、100㎡以上あれば、小規模な貸し倉庫の建設が可能です。一方、大型の貸し倉庫や貸し工場を建設する場合は、1,000㎡以上の広い土地が必要となります。

また、工業地域や準工業地域、工業専用地域以外では、建築が難しいケースもあるため、事前の確認が必要です。周辺環境との調和も重要で、騒音や振動、交通量の増加など、近隣への影響を最小限に抑える配慮が求められます。

経営難易度が低い活用法4選

遊休地活用法の中には、専門知識やスキルを必要とせず、手間をかけずに取り組める方法もあります。

ここでは、経営の難易度が比較的低い4つの活用法を紹介します。

月極駐車場

月極駐車場は、遊休地の活用法として、比較的、経営難易度が低いとされています。月極駐車場は、特定の利用者に駐車スペースを1ヶ月単位で貸し出す方式で、安定した収入を得られるのが特徴です。

月極駐車場の運営には、舗装工事や区画線、看板の設置などが必要ですが、料金精算機などの設備は不要です。また、月極駐車場は、利用者との契約に基づいて運営されるため、無人運営が可能です。

ただし、月極駐車場の収益性は、立地によって大きく左右されます。オフィスビルや住宅地の近くなど、駐車場需要が高い場所であれば、高い稼働率を維持できます。一方で、需要が低い場所では、空き区画が増え、収益性が下がるリスクがあります。

月極駐車場は、遊休地の活用法として、手軽に始められる選択肢の一つです。立地を慎重に選べば、安定した収益を得られる可能性があります。

月極駐車場向きの条件

月極駐車場に適した土地の条件は、以下のようなものが挙げられます。

  • 駅やオフィスビル、住宅地の近く
  • 道路に面していて、出入りがしやすい
  • 周辺に駐車場需要がある
  • 地盤が強固で、舗装工事がしやすい
  • 形状が四角形・長方形に近く、区画を形成しやすい

土地の広さは、10台分程度の駐車スペースが確保できれば十分です。1台あたり15~20㎡を目安に、150~200㎡以上の土地があれば、月極駐車場の導入が可能です。

貸農園

貸し農園は、田舎の遊休地を活用した経営難易度が低い方法の一つです。都市部では市民農園などの需要があり、田舎でも、農業体験を求める都市住民や、趣味として農業を始めたい定年退職者への需要が見込めます。

田舎の遊休地は、もともと農地だった場所が多く、土壌や水利など、農業に適した条件が整っていると、初期投資をおさえた土地活用が可能です。ただし、田舎の貸し農園では、利用者数が限られるため、都市部ほどの高い収益は見込めないかもしれません。

貸し農園は、単なる収益事業としてだけでなく、地域貢献や社会貢献の一環として取り組むことで、遊休地の有効活用と同時に、地域の魅力アップにつなげることができるでしょう。借り手を探している間は、自家消費用の農作物を栽培すれば、食費の節約にもなります。

貸農園向きの条件

貸し農園に適した土地の条件は、以下のようなものが挙げられます。

  • 都市部の近郊である、アクセスが良い
  • 日当たりや水はけが良く、農作物の栽培に適している
  • 周辺に農地が少なく、家庭菜園の需要がある
  • 土壌が肥沃で、農作業がしやすい
  • 水道や電気などの設備を設置しやすい

土地の広さは、10区画程度の農園が設置できる面積があれば十分です。1区画あたり20~30㎡を目安に、200~300㎡以上の土地があれば、貸し農園を運営できます。

資材置き場

資材置き場は、建設業者や資材販売業者などに、資材の保管スペースを提供する活用法です。大規模な設備投資が不要で、経営難易度が低いのが特徴です。

資材置き場の運営には、土地の整地や、フェンスの設置などが必要ですが、建物の建設は不要です。また、利用者が自ら資材の搬入や搬出を行うため、労働力の確保も最小限で済みます。500㎡以上の広さがあれば、管理棟を設置することもできます。

ただし、資材置き場は、景観や環境への影響を考慮する必要があります。周辺の住宅地や商業施設との調和を図るために、フェンスや緑地の設置などの対策が求められる場合もあります。また、不要になった資材の処分方法についても、適切に対応することが求められます。

資材置き場向きの条件

資材置き場に適した土地の条件は、以下のようなものが挙げられます。

  • 建設現場や工場など、資材置き場の需要がある場所の近く
  • 大型車両の出入りがしやすい幹線道路に面している
  • 地盤が強固で、重機の走行に耐えられる
  • 周辺に住宅地や商業施設が少ない
  • 土地の形状が整っており、資材の保管がしやすい

500㎡以上の広さがあれば、大型車両の駐車スペースや、資材の保管スペースを十分に確保できます。農家を引退し、農地を転用する場合などで活用できます。

事業用定期借地

事業用定期借地は、遊休地を長期的に貸し出す活用法の一つです。借地契約の期間は10年以上と長く、安定した収入を得られるのが特徴です。

事業用定期借地契約を締結すると、遊休地を土地利用者に貸し出すだけですので、土地所有者は、建物の建設や維持管理に関与する必要はありません。そのため、経営難易度は比較的低いといえます。

事業用定期借地の収益性は、立地によって異なります。都市部の商業地域や工業地域など、事業用地の需要が高い場所であれば、高い賃料を設定できますが、田舎で、需要が見込めない地域では、収益性が下がるリスクがあります。土地利用者の経営が悪化した場合には、賃料の支払いが滞る可能性もあります。

地域状況にあった利用をする相手を探し、長期的に安定した収入を目指すことが重要です。

事業用定期借地向きの条件

事業用定期借地に適した土地の条件は、以下のようなものが挙げられます。

  • 都市部の商業地域や工業地域など、事業用地の需要が高い
  • 交通アクセスが良く、事業の利便性が高い
  • 周辺に同業の事業者が多く、事業環境が整っている
  • 土地の形状が整っており、建物の建設がしやすい
  • 都市計画や用途地域の規制に適合している

土地の広さは、事業の内容によって異なります。オフィスビルや商業施設など、大規模な建物を建設する場合は、1,000㎡以上の土地が必要となるでしょう。一方、小規模な店舗や事務所であれば、数百㎡の土地でも対応可能です。

事業用定期借地の契約では、契約期間満了後の土地の返還方法や、建物の取り扱いなどを明確に定めておく必要があり、トラブル防止のために、専門家の助言を得ておくと安心です。

収益率の高い活用方法5選

遊休地をうまく活用すれば、高い収益を上げることも可能です。ここでは、収益率の高い活用方法を5つ厳選して紹介します。

賃貸住宅

賃貸住宅や賃貸ガレージハウスは、遊休地を活用した収益性の高い選択肢の一つです。アパートやマンション、ガレージ付き住宅を建設し、住居や車庫を求める人に賃貸することで、安定した賃料収入を得ることができます。一戸建てであれば、100㎡程度の土地の広さが求められます。

賃貸住宅や賃貸ガレージハウスの建設には、大規模な投資が必要となります。建設費用や設備費用、不動産仲介手数料など、初期費用が高額になるのが一般的です。また、賃貸住宅の運営には、入居者の管理や建物のメンテナンスなど、一定の手間がかかります。トラブル対応や修繕工事なども必要となるため、管理体制の整備が重要です。

賃貸住宅や賃貸ガレージハウスの収益性は、立地によって大きく左右されます。都市部の利便性の高い場所や、交通アクセスの良い場所であれば、高い賃料を設定できます。一方で、需要が低い場所では、空室リスクが高まり、収益性が下がる可能性があります。

これまで賃貸住宅の経営はポピュラーな土地活用法でしたが、時代の変化を受けてリスクも増えているのが現実です。これからの時代、賃貸経営で成功するためには、ニッチな需要を取り込むことが重要です。最新の知見に基づいた活用法を下記リンクからご覧いただけます。

賃貸住宅向きの条件

賃貸住宅に適した土地の条件は、以下のようなものが挙げられます。

  • 都市部の駅近である、交通アクセスが良い
  • 周辺に商業施設や教育施設、医療機関などの生活利便施設が充実している
  • 日当たりや風通しが良く、居住環境が良好である
  • 地盤が強固で、建物の建設に適している
  • 騒音や大気汚染などの環境問題が少ない

土地の広さは、建設する賃貸住宅や賃貸ガレージハウスの規模によって異なります。ワンルームタイプのアパートであれば、数百㎡の土地でも建設可能です。一方、ファミリー向けのマンションとなると、1,000㎡以上の広さが必要となります。

また、賃貸住宅や賃貸ガレージハウスの建設には、建ぺい率や容積率、高さ制限など、各種の建築規制が適用されるため、賃貸住宅や賃貸ガレージハウスを検討する際は、立地や土地の広さ、建築規制、不動産管理、建物設計などを総合的に考慮し、収益性とリスクを見極めることが必要不可欠です。

オフィスビル賃貸

オフィスビル賃貸は、遊休地を活用した収益性の高い選択肢の一つです。ビジネス街や交通の便の良い場所にオフィスビルを建設し、事業者に賃貸することで、安定した賃料収入を得られます。

オフィスビル賃貸の収益性は、立地によって大きく左右されます。都心部の一等地や、主要駅から徒歩圏内の場所であれば、高い賃料を設定できます。また、オフィスビルの設備や仕様、デザインなども、賃料に影響を与えます。

ただし、オフィスビル賃貸には、大規模な投資が必要となります。建設費用や設備費用、不動産仲介手数料など、初期費用が高額になるのが一般的です。また、オフィスビル賃貸の運営には、テナントの管理やビルのメンテナンスなど一定の手間がかかります。トラブル対応や修繕工事なども必要となるため、管理体制の整備が重要です。

オフィスビル賃貸は、遊休地の活用法として、収益性が高く、長期的な安定収入を得られる選択肢の一つです。大規模な投資が必要となりますが、適切な運営ができれば、高い収益を上げられるでしょう。

オフィスビル賃貸向きの条件

オフィスビル賃貸に適した土地の条件は、以下のようなものが挙げられます。

  • 都心部のビジネス街にある、駅から徒歩圏内にある
  • 周辺にオフィスビルが集まり、ビジネス環境が整っている
  • 幹線道路に面し、アクセスが良好である
  • 地盤が強固で、大規模なビルの建設に適している
  • 高度利用が可能な用途地域に指定されている

土地の広さは、建設するオフィスビルの規模によって異なります。小規模なオフィスビルであれば、数百㎡の土地でも建設可能です。一方、大規模なオフィスビルとなると、1,000㎡以上の広さが必要となるでしょう。

オフィスビルの建設には、建ぺい率や容積率、高さ制限など、各種の建築規制が適用されるため、建築可能なビルの規模や設計を確認しておき、収益性とリスクを見極めることが必要不可です。

店舗経営

店舗経営は、遊休地を活用した収益性の高い選択肢の一つです。飲食店、小売店、サービス業など、さまざまな業種が考えられ、土地所有者自らが店舗を経営することで、直接的な売上を得ることができます。

店舗経営の収益性は、立地や業種、店舗の魅力度によって大きく左右されます。繁華街や商業施設の近く、交通量の多い場所であれば、集客が見込めます。また、田舎であっても、地域のニーズを捉えた業種選定や、魅力的な店舗設計で、安定した収益を得ることも可能です。

ただし、店舗経営には、大規模な投資が必要となる場合があります。店舗の建設費用や設備費用、開業資金などが必要で、商品の仕入れや人件費、光熱費など、運営コストも考慮しておかなければなりません。

一方で、店舗経営は、土地の有効活用と自己実現を同時に達成できる選択肢です。とくに、田舎の遊休地を活用した店舗経営では、地域特産品を扱うことで、ビジネスチャンスが広がります。地域ならではの魅力を発信することで、都市部からの観光客の呼び込みや商品の注文にも繋がるでしょう。

店舗経営向きの条件

店舗経営に適した土地の条件は、以下のようなものが挙げられます。

  • 繁華街や商業施設の近くなど、人通りが多い
  • 周辺に競合店が少なく、地域のニーズがある
  • 道路に面し、アクセスや駐車場の確保が容易である
  • 店舗の建設や看板の設置など、必要な許認可が得られる
  • 業種や営業形態に適した広さや形状の土地である

飲食店であれば、厨房スペースや客席スペース、小売店であれば、店舗スペースや在庫スペースというように、必要な土地の広さは業種や営業形態によって異なります。

また、店舗の建設には、建築基準法や消防法、衛生法規など、各種の法規制が適用されます。事前に、必要な許認可や手続きを確認しておくことが重要です。

店舗経営を検討する際は、立地や土地の条件、法規制、業務内容、地域との関係など、多角的な視点から検討し、リスクと収益性のバランスを見極めることが重要です。

ホテル1棟貸し

ホテル1棟貸しは、遊休地を活用した収益性の高い選択肢の一つです。ホテルの建設や運営を専門とする事業者に土地を賃貸することで、安定した賃料収入を得られます。

ホテル1棟貸しの収益性は、立地によって大きく左右され、観光地や主要都市、交通の要所など、宿泊需要の高い場所であれば、高い賃料を設定できます。

ホテル1棟貸しには、大規模な投資が必要となります。また、ホテルの運営は借り手である事業者に委ねられるため、事業リスクは限定的ですが、長期的な契約が一般的です。

一方で、ホテル1棟貸しは、土地の有効活用と資産価値の向上を同時に実現できる選択肢です。優良な事業者を選定し、適切な契約を結ぶことで、リスクを最小限に抑えながら、高い収益を期待できます。

ホテル1棟貸し向きの条件

ホテル1棟貸しに適した土地の条件は、以下のようなものが挙げられます。

  • 観光地や主要都市、交通の要所など、宿泊需要が高い
  • 周辺にホテルが多数あり、宿泊客の獲得が見込める
  • 道路に面し、アクセスや駐車場の確保が容易である
  • 地盤が強固で、大規模な建物の建設に適している
  • 景観や環境に優れ、宿泊客の満足度が高められる

土地の広さは、建設するホテルの規模によって異なります。小規模なビジネスホテルであれば、数百㎡の土地でも建設可能です。一方、大規模なリゾートホテルとなると、1,000㎡以上の広さが必要となるでしょう。

ホテルの建設には、建築基準法や消防法、バリアフリー法など、各種の法規制が適用されます。事前に建築可能なホテルの規模や設計を確認しておくことが重要です。

福祉施設経営

福祉施設経営は、遊休地を活用した収益性の高い選択肢の一つであり、同時に社会貢献にもつながる取り組みです。高齢者向けの介護施設や障がい者向けの支援施設、医療施設など、さまざまな形態の福祉施設が考えられます。

福祉施設経営の収益性は、施設の種類や規模、立地によって異なります。高齢化が進む地域では、介護施設の需要が高まっており、安定した収益が見込めます。また、障がい者の自立支援に取り組む施設では、行政からの補助金や助成金を得られる可能性があります。

ただし、福祉施設の建設には、大規模な投資が必要となります。建物の設計や設備、備品など、利用者の安全と快適性を確保するための初期費用が高額になるのが一般的です。また、人材の確保や育成、サービスの質の維持など、運営面でのコストも必要です。

福祉施設経営は、社会的意義の高い事業であり、地域社会に貢献できる機会でもあります。高齢者や障がい者の暮らしを支え、その家族の負担を軽減することで、地域の福祉の向上に寄与できるでしょう。

福祉施設経営向きの条件

福祉施設経営に適した土地の条件は、以下のようなものが挙げられます。

  • 自然環境に恵まれている閑静な場所や住宅地
  • 周辺に医療機関や商業施設など、利用者の生活を支える施設がある
  • 道路に面しアクセスが良く、駐車場の確保が容易である
  • 地盤が強固で、安全性の高い建物の建設に適している
  • 日当たりや景観に優れ、利用者の快適性が高められる

土地の広さは、建設する福祉施設の規模によって異なります。小規模なグループホームであれば、数百㎡の土地でも建設可能です。一方、大規模な介護施設となると、1,000㎡以上の広さが必要となるでしょう。

また、福祉施設の建設には、建築基準法や消防法、バリアフリー法など、各種の法規制が適用されます。とくに、利用者の安全や健康に関わる設備や構造については、厳格な基準が設けられています。事前に、関連法規を確認し、必要な対策を講じることが重要です。

その他の方法2選

ここまで紹介してきた活用法以外にも、遊休地の有効活用法はまだまだあります。ここでは、さらに2つの活用方法を取り上げます。

土地信託

土地信託は、遊休地の所有者が土地の有効活用を信託銀行などの専門機関に委ねるビジネスです。土地所有者は、信託契約を結び、土地の運用や管理を信託銀行に任せます。信託銀行は、土地の場所や広さ、形状などさまざまな条件をもとに、活用方法を決定し、土地から得られた収益を土地所有者に分配します。

土地信託のメリットは、土地所有者が直接的な土地運用の手間から解放されることです。信託銀行が土地の有効活用を専門的に行うため、土地所有者は運用の専門知識がなくても、安定した収益を得られる可能性があります。

ただし、土地信託には、信託報酬や信託手数料などのコストがかかります。また、信託期間が長期に及ぶ場合、途中で土地の用途変更や売却ができないデメリットもあります。土地運用の手間を省き、安定した収益を得られる可能性がありますが、コストや長期拘束のデメリットも考慮する必要があります。

土地信託向きの条件

土地信託に適した土地の条件は、以下のようなものが挙げられます。

  • 都心部や主要都市など、不動産需要が高い
  • 周辺に同種の不動産が集積し、市場性が高い
  • 道路や公共交通機関へのアクセスが良く、利便性が高い
  • 地盤が強固で、大規模な建物の建設に適している
  • 用途地域や建ぺい率、容積率など、法的規制が明確である

土地の広さは、建設する不動産の種類や規模によって異なります。オフィスビルやマンション、商業施設など、大規模な建物を建設する場合は、1,000㎡以上の広さが必要となるでしょう。

また、土地信託では、信託銀行が土地の有効活用方法を提案し、事業計画を立てます。そのため、土地の形状や接道状況、地形なども重要なポイントとなります。不整形な土地や接道条件が悪い土地は、有効活用が難しい場合があります。

不動産の等価交換

不動産の等価交換は、遊休地を他の不動産と交換することで、有効活用を図る方法です。遊休地所有者は、自分の土地と同等の価値を持つ不動産を探し、交換契約を結びます。これにより、遊休地を手放しつつ、より利用価値の高い不動産を得られます。

等価交換のメリットは、現金の授受が発生しないことです。不動産の売買では、譲渡所得税や登録免許税などの税金が課せられますが、等価交換では、これらの税金を軽減または免除できる可能性があります。

また、不動産の売却では、買い手を見つけるまでに時間がかかることがありますが、等価交換では、交換相手との合意が成立すれば、比較的スムーズに取引を進められます。ただし、等価交換には、適切な交換相手を見つけるのが難しいというデメリットがあります。

また、不動産の価値評価が適正でない場合、トラブルに発展する可能性もあります。適切な交換相手を見つけることが重要なポイントとなります。

不動産の等価交換向きの条件

不動産の等価交換に適した土地の条件は、以下のようなものが挙げられます。

  • 立地や周辺環境に大きな問題がない
  • 土地の形状や接道状況が良好である
  • 建築規制や法的制限が少ない
  • 土地の価値評価が適正に行える
  • 交換相手の不動産との価値の等価性が確保できる

等価交換では、交換する不動産の価値が等しいことが前提となります。そのため、土地の評価額が適正であることが重要で、不動産鑑定士などの専門家に依頼し、客観的な評価を得ることが求められます。

フィル・カンパニーでは、所有している土地に最適な土地活用法をご提案しています。これまで解説してきた条件に見合わない土地でも、思わぬ活用法をご提案できるかもしれません。ぜひ一度ご相談ください。

遊休地の売却について

遊休地の活用方法として、売却も選択肢の一つです。長期的な土地の保有や維持に負担を感じる場合、売却によって、その負担から解放されます。

売却のメリットは、早期に現金化できることです。売却代金を他の投資に回したり、債務の返済に充てたりすることで、資産の有効活用を図れます。売却後は、土地の管理コストや固定資産税などの負担を気にする必要がなくなります。

売却を検討する際は、不動産鑑定士などの専門家に依頼し、適正な売却価格を把握することが重要です。また、売却先の選定も重要なポイントです。信頼できる不動産会社や買主を見つけ、トラブルのない取引を心がける必要があります。

遊休地を活用する際の注意点

遊休地を有効活用する際には、さまざまな注意点があります。適切な活用方法を選択し、リスクを最小限に抑えながら、収益性を高めることが重要です。ここでは、遊休地活用の際に注意すべき点を3つ紹介します。

資金確保が必要な場合がある

遊休地の活用には、一定の資金が必要となる場合があります。建物の建設や設備の導入など、活用方法によっては、大規模な投資が求められます。

資金調達の方法としては、自己資金の他、金融機関からの借入れや投資家からの出資などが考えられます。活用方法によっては、運営会社が遊休地を一括借り上げする方法を選び、費用負担を回避することも可能です。

借入れを行う場合は、返済計画を綿密に立て、確実に返済できる見通しを立てることが重要です。活用方法によっては、補助金や助成金を受けられる可能性もあり、初期投資の負担を軽減できるケースもあります。

資金確保は、遊休地活用の成否を左右する重要な要素です。資金計画を綿密に立て、適切な調達方法を選択することが求められます。

地価が下がる可能性がある

遊休地の活用は、土地の価値向上に繋がる可能性がある一方で、地価が下がるリスクもはらんでいます。たとえば、周辺との景観の不調和や環境の悪化を招く活用方法を選択した場合、地域の評価が下がり、地価の下落に繋がるおそれがあります。

また、需要の見込みが甘かったために、事業が失敗に終わった場合も、土地の価値は下がってしまいます。遊休地の活用は、周辺環境との調和や地域のニーズを十分に考慮し、慎重に検討する必要があります。短期的な収益だけでなく、長期的な土地の価値維持や向上を見据えた活用方法を選択することが重要です。

また、活用後の土地の価値評価にも注意が必要です。定期的に不動産鑑定士などの専門家に依頼し、土地の価値を把握しておくことが望ましいでしょう。地価の下落リスクを最小限に抑えながら、遊休地の価値を高める活用方法を模索することが肝要です。

遊休地の活用には専門家に相談を

遊休地の活用は、さまざまな専門知識が必要とされる複雑な取り組みです。法律や税務、不動産、建築、都市計画など、多岐にわたる分野の知識が求められます。そのため、遊休地の活用を検討する際は、専門家に相談することが不可欠です。弁護士や税理士、不動産鑑定士、建築士などの専門家に助言を求め、適切な活用方法を選択することが重要です。

とくに、法律面での注意点は重要です。都市計画法や建築基準法、税法など、関連する法律は多岐にわたります。専門家の助言を得ながら、適法な活用方法を選択することが求められます。

また、自治体との調整、不動産の評価や取引、建築の設計や施工など、専門的な実務面でも、専門家の支援が欠かせません。信頼できる専門家を選び、連携しながら事業を進めることが肝要です。

遊休地の活用は、専門家との連携なくしては成り立ちません。各分野の専門家と緊密に連携し、適切なアドバイスを得ながら、事業を進めることが重要です。

フィル・カンパニーでは、土地にまつわるさまざまなサービスをワンストップで提供しています。企画設計、施工、また実際の運用管理などにかかわる窓口を一元化すれば、運用の負担からも解放されます。お悩みの方は、ぜひ一度フィル・カンパニーまでご相談ください。

まとめ

遊休地の活用には、さまざまな選択肢があります。土地の条件や立地、目的に合わせて最適な方法を選ぶことが重要です。初期費用や経営の難易度、収益性など、それぞれの特徴を理解したうえで、慎重に検討を進めなければなりません。

また、活用する際の注意点にも十分に配慮し、リスクを最小限に抑えることも重要です。遊休地をうまく活用することで、新たな収入源の確保や、資産価値の向上につなげられます。遊休地の活用は、所有者にとってのメリットだけでなく、地域社会への貢献にもつながります。有効活用することで、地域の活性化や環境改善に寄与できます。

専門的な知識や経験が必要になりますので、専門家に相談しながら、所有する遊休地に合った活用方法を見つけていきましょう。

この記事の監修者

垣内 典之

株式会社 PROPUP 代表取締役/一級建築士

石川県金沢市出身。千葉大学大学院修了(建築学)。建築設計監理からキャリアをスタート、環境性能に係る設計審査業務、企業不動産(CRE)戦略、ファシリティマネジメント(FM)コンストラクションマネジメント(CM)等を経験。建築・不動産・ITを横断的に繋げ、高次元のプロパティ・マネジメントを実現するべくPROPUPを設立。

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