フィル・パークマガジン 変形地でも後悔しない土地活用術!デメリットを覆す納得の間取りと活用法をご紹介

変形地でも後悔しない土地活用術!デメリットを覆す納得の間取りと活用法をご紹介

相続や購入で手に入れた変形地の活用方法に頭を悩ませていませんか?三角形や旗竿地など、整形地とは異なる特殊な形状の土地は、建築の制約や高額な造成費用などのハードルがあり、活用が難しいと思われがちです。
しかし、変形地ならではの特性を理解し、適切な方法で活用すれば、むしろ魅力的な資産になり得ます。なぜなら、変形地は整形地に比べて低価格で取得でき、固定資産税も「不整形地補正率」により最大40%程度減額されるなど、さまざまなメリットがあるからです。実際に、立地の良い変形地では、周囲と差別化できる個性的な建物を建築したり、低コストで始められるトランクルームやガレージハウスなどの事業を展開したりする成功事例が増えています。
本記事では、変形地の特徴から活用アイデア12選、さらには形状別の具体的な間取り提案まで詳しく解説します。あなたの変形地の特性を最大限に活かした、収益性の高い土地活用プランを見つけましょう。
変形地とは
変形地は不整形地ともいい、一般的な長方形で平坦な整形地に対して三角形や台形、旗竿、敷地内の段差や傾斜などの、特別な形の土地を総称する言葉です。
変形地は面積の狭い狭小地とともに、使い勝手の問題から敬遠される一方で、良い立地に宅地や事業地を得たい人が積極的に探すこともあります。
変形地の活用には、まず変形地の特徴や成功の事例を知ることが大切です。
変形地は相続の過程で生み出されることが多いと言われています。今この文章を読んでいる方の中にも相続で変形地を取得した、もしくは今後するようになる人も多いのではないでしょうか?相続する土地をどう活用するか、など、土地相続のノウハウはこちらからご確認ください。
変形地のメリット
変形地には、変形地ならではのメリットがいくつかあります。
【取得時】低価格で取得できる
変形地は低価格で購入できるため、同じ予算でより良い立地を確保できるのが魅力でしょう。もともと不利な条件にもかかわらず開発された経緯があるので、変形地は良い場所のことが多いです。都市部は居住者の世代交代が進み、変形地や狭小地も含めて、積極的に買取を進めるハウスメーカーの仕入れ営業も多くなっています。
使い勝手の難しい土地でも、解決方法さえ準備できれば、良い買い物となる可能性を持っているでしょう。また、将来的に隣地を取得するなどして変形地でなくなれば、安く取得した土地の資産価値が上がることになります。
検討期間を長めに取ることができる
せっかく収益化や居住を目指して購入する土地なので、さまざまな角度から丁寧に検討したいものです。変形地は利用法の難しさから、購入をためらう心理が働くため、すぐには売れにくいです。また、売主も価格などの条件は交渉に応じる、柔軟な姿勢でいる場合も多いでしょう。
検討期間が長めに取れれば、該当の土地に対する情報集めもしやすくなります。ただし、条件が良い変形地であれば価格が安い分、早い者勝ちの要素もある取引です。変形地の販売情報はクローズのケースが少なく、インターネット上でも幅広く公開され、多くの土地購入検討者の目に触れているでしょう。
事前に変形地に対する知識や方針を持っておくと、変形地の取得の際にもスピーディーに動けます。
【運用時】固定資産税・都市計画税なども安い
変形地は取得時だけでなく、ランニングコストも抑えられるため、収益化に有利です。
変形地の固定資産税・都市計画税は、「不整形地補正率」で規定された「かげ地割合」の計算方法にしたがって減額されます。また、崖や斜面地の割合に応じて減価割合が決められており、土地によっては最大で40%程度の減額もあります。
自治体の計算に補正率が正しく反映されていない場合は、再計算の依頼も可能です。相続税も上記の考え方が基本となるため、整形地に比べて課税標準が低く抑えられます。
個性的な建物を建てられる
変形地による制約が設計者の創造力を刺激し、より充実した建物設計につながる場合があります。変形地ならではのイマジネーションが湧き、利用する人やまちの景観に印象を刻むような、面白い建築物が生まれる可能性も期待できるでしょう。
また、段差や傾斜も、半地下やスキップフロアなど、建ぺい容積率をうまく利用した土地活用につなげる方法があります。
通常の整形地にはない多様性で、人を集める魅力のある建物を目指してみてはいかがでしょうか。
変形地で後悔しがちなデメリット
変形地においては、不利な形を克服するために相応の予算を必要とする場合があります。また、活用方法や風水上も制約があるなどがデメリットです。
活用方法が限られる
土地を取得して建物をつくる場合、都市計画法、建築基準法、消防法などの法令による制約を受けます。土地の形や高低差などによって、希望する用途の建物をつくるのが難しいか、希望どおりの建物が許可されないなどの可能性をチェックする必要があります。
たとえば、共同住宅の場合、敷地内の避難経路の確保や路地状敷地での建築制限など、建築計画の段階で要件のクリアが必要です。
また、変形地では建築の際に使えない部分が生じやすいため、うまく利用できない場合はデッドスペースとなってしまいます。
土地の造成に予算がかかる場合がある
敷地内の崖などの段差や傾斜などは、造成によって解決しなければならない場合があります。住宅地として販売されている場合は造成済みのことが多いですが、土地の状態や利用目的によっては、なんらかの工事が必要となることがあります。
造成の費用が追加で必要となることも、想定する必要があるでしょう。
切土・盛土
切土(きりど)とは土地を切削して土を除き、盛土(もりど)とは土地に土を盛ることです。斜面の処理は下図のように、上半分の切土を下半分に盛って、平坦な土地面をつくるために行います。
シンプルな盛土工事ならば、1立方メートルあたりの単価相場は7,000円ほどですが、重機運搬費、諸経費、樹木の伐採・伐根や、次項でご説明する擁壁や土留めなどの費用が加わるでしょう。
土地の扱いの注意として、もとの地盤を切り取った切土地と、新たに土を盛った盛土地の境目は、不同沈下や地すべりが起きやすくなる点があります。
2メートル超の高さの切土・1メートル超の盛土・面積が500平方メートル以上の造成工事を行う場合は、都道府県知事の許可が必要になる点も、念頭におきましょう。
また、大きく土地を削った場合や、古い建物を壊したあとの場合、新しい建物をつくるにあたって、地盤調査や地盤の改良工事が必要となる場合があります。
30坪ほどの戸建住宅用の土地で、地盤調査費用に5〜10万円、地盤の表層改良工事で30〜50万円を要します。
土留め工事、擁壁工事
切土や盛土を行うことで隣地と1メートル以上の高低差が生じる場合は隣地との間に土留め、2メートル以上の場合は擁壁の工事が必要です。
コンクリート、コンクリートブロック、石などで擁壁をつくり、土を留めます。土留め工事・擁壁工事は、防災対策の他、中途半端な斜面を残さずに土地を境界までフルに活用でき、雨による土の流出を防いだりできるメリットがあります。
また、擁壁の高さに応じて使用する材料や工法が変わり、予算にも違いが生じるでしょう。土留め・擁壁工事は高低差や使用する材料にもよりますが、1メートルあたり3〜10万円が相場です。
設計の難易度が上がる
変形地にともなう各種の制約は設計者にとって良い刺激となる反面、設計の難易度が上がる原因にもなります。
三角地などで土地にデッドスペースがあって建物には使えない部分が生じる場合、狭小地のように制限されたスペースで間取りを検討して、目的に合う形にしなくてはなりません。
有効活用できるスペースが狭すぎては、安く取得した価値が薄れてしまうので、土地の利用目的や事業のターゲットを絞り込んだうえで、設計には重きを置く必要があります。
建築費が高額になる場合もある
路地の奥にある旗竿地の場合、建材や重機の搬入が難しく、施工の際の人件費が増える場合があります。さらに、もともと建物がなかった場合は、インフラの配管を前面道路からの長い距離で引く必要があり、コストアップの要因になります。
複雑な土地の形に建物を合わせると、屋根の形状が複雑になり、壁の面積も増えるため、材料費・施工費ともに上昇する可能性も生じるでしょう。
また、前述のように斜面の土地は造成費用の他、地盤改良や基礎を深くするための費用が平地の建築に比べて高額になりやすい点にも注意が必要です。
風水で良くないと言われて気になる
風水では土地も建物も、シンプルな長方形が良いとされており、変形地は凶相として扱われます。三角地は「角が立つ」「孤立する」などの特徴があると言われています。
しかし、風水の良い点は、土地に問題のある場合でも対策が準備されているところです。すでに所有している土地に対しても参考にできます。
たとえば、三角地の場合、角に花壇をつくったり木を植えることで角を無くしたり、水晶や八卦鏡などを置いたりなどで対策ができます。
また、変形地だからこそ一般的な土地には真似のできない設計や借景に恵まれることもあり、何をよしとするかはその人次第です。
変形地活用のポイントと間取りアイデア
変形地の形はさまざまですが、それぞれの形に対応して克服したり、有効に活用できる間取りのアイデアをご紹介します。
三角形、台形、五角形など多角形地
形の難しい土地は、思い切って建物をワンフロアにするなども検討しましょう。また、余った部分の土地を庭や駐車・駐輪スペース、ウッドデッキとして利用する方法も考えられます。
居住の為の使い勝手には縛られにくい商業ビルは、変形地に合わせた凝ったデザインの建物でお客様にアピールしやすい利点があります。
旗竿地
旗竿地は、路地状の敷地が旗の竿のように前面道路に向かって延びる土地です。
周囲の敷地に四方を囲まれた形になるため、住居としての静粛性やプライバシーを確保しやすいというメリットがあります。
店舗としては、路面からアピールするのが難しくなる反面、接道部分=入り口の雰囲気や内装に工夫を凝らし、隠れ家的な演出が効果的です。
うなぎの寝床(細長い土地)
うなぎの寝床と言われる細長い土地は、路面の間口の長さに比例して課税された江戸時代の「間口税」のなごりとして、現在も多く残っています(諸説あり)。
細長い土地は賃貸物件の場合、長屋形式の建物がおすすめです。長屋形式は廊下や階段などの共有部分を建物の外に持たないで、すべての住戸の玄関が1階にあるタイプの集合住宅です。
また、長屋は細長い土地でも、共有部分を設けない分住戸に面積をフル活用できます。
細長い建物の利点は、短辺の距離が文字通り短いため、店舗兼住宅などで公私の空間を区切って使いやすい点にあります。
たとえば、住居との間にホールや廊下などの緩衝スペースを設けて、お店の音やにおい、振動などが住居に干渉しない構造にしやすいでしょう。
傾斜地
傾斜地のメリットは、高い位置の場合、見晴らしと日当たりが良いことです。
傾斜地につくる建物は、地下スペースや地下室、スキップフロアを採用するのがおすすめです。
あえて平坦に造成せずに、傾斜や段差に沿って建物をつくればコストを抑えることができます。たとえば、敷地の高低差をスキップフロアにするなどがあります。
スキップフロアは高さの異なる空間を数段の階段でつなげた床構成です。開放感を保ちながら空間を仕切ることができ、変化に富んだ間取りとなります。
スキップフロアの解放感や室内全体が見渡しやすい構造は、店舗の間取りにも向いています。
また、敷地の段差を利用して、居室の一部を半地下にすると、床面積の3分の1までは容積率の計算から除外されるため、土地の有効活用が可能です。容積率の除外は、以下が条件となります。
- 地下階が住宅用途で使用されていること
- 地盤面から天井までの高さが1m以内に収まっていること
- 床から天井までの高さの2/3以上が地盤面より下に位置していること
3〜4方向を道路で囲まれた土地
周囲を道路に囲まれた土地は、周囲の視線への対策が必要であり、整形地でも使い勝手に工夫が必要です。
敷地の周囲を道路に囲まれた土地は、建物の外観で宣伝や事業のアピールがしやすいため、商業ビルの建設には非常に向いています。
居住用の場合はプライバシーを守る観点も必要ですが、敷地の周囲は高めの隔壁、建物外側の窓は少なめにしておき、内部にハイサッシの窓で囲んだ中庭を設置すると、お部屋のプライバシーと採光を両立でき、解放感も味わえるでしょう。
三角形、旗竿地、うなぎの寝床、傾斜地など、変形地には独自の活用法があります。しかし、最適な活用方法はそれぞれの土地の特性によって大きく異なります。あなたの土地の強みを最大限に引き出す専門家のアドバイスで、思わぬ価値を発見してみませんか?無料相談で、成功する土地活用プランをご提案します。
変形地におすすめの活用方法 12選
変形地の活用は、利用目的によっても方向性に違いが出ます。立地、広さ、地形などを照らし合わせながら、活用方法を検討してください。本項では、変形地の活用方法の事例をご紹介します。
マンション、アパート
変形地の活用方法として、賃貸物件もおすすめです。マンションやアパートの物件情報を見ていると、変形地で設計を工夫した建物がとても多いことに気づきます。
マンションやアパートの賃貸経営は、長期的に、安定した視点で考えやすいのが魅力です。借入の返済、大規模修繕、賃料設定の変化などをシミュレーションできるためです。
変形地で建築に工夫が必要でも、立地が良ければ入居者は見つけやすくなります。また、個性的な間取りを好む人も対象にしやすいでしょう。
変形地の中古賃貸物件は既存不適格建築物の場合があり、再建築ができないケースが多いため、旧法借地権物件と並んで、格安の値段で取引されているのが魅力です。
重層長屋
賃貸物件の中でも、変形地にとくにおすすめなのが、重層長屋の建築です。重層長屋の中でも、1階と2階を同じ入居者が利用する構造をテラスハウス、専用の中階段を設けて1階と2階を別の入居者が利用する構造を重層長屋と言います。
重層長屋はプライバシーが守られやすく、近年入居者にも人気がある構造です。一般的なアパートに比べて、居住用の部分の専有面積が広くとれることで、賃料もやや高めに設定できます。
建築部分が制限を受けやすい変形地でも、外階段や廊下が不要なため設計が容易で、建築基準法の避難通路確保などの規制も緩和されるので、とくに都市部の賃貸物件では検討の価値が高いでしょう。
ガレージハウス
最近人気が高まっているガレージハウスは、1階にインナーガレージを設けた戸建賃貸です。駅から少し離れた立地、あるいは車の需要のある都市部のお客様に強く訴求できます。
軽量鉄骨などを利用して、2階に居住部分を設けたガレージハウスは、建築期間やコストを低く抑えられ、変形地を柔軟に活用したい場合におすすめです。
天候が悪くても車の使い勝手がよく、車が好きな人はもちろん、アトリエやトレーニングなど趣味のスペースとして活用したい人にも好評です。1戸から、土地のサイズに合わせてフレキシブルに戸数を設定できるでしょう。
また、旗竿地の戸建を賃貸する場合は、路地状敷地部分の幅が2.5メートルもあれば、カースペース付きの物件として貸し出すことができます。
フィル・カンパニーのソリューションである賃貸ガレージハウス「プレミアムガレージハウス」は、需要が供給を上回る人気の土地活用。車愛好家や自分だけのスペースが欲しい人から需要が高く、変形地での成功事例も多数ございます。
お持ちの土地との相性が気になる方は、ぜひ一度ご相談くださいませ。
戸建賃貸住宅
戸建賃貸住宅は、変形地にも細やかな対応が可能です。
また、一度入居すると居住してもらえる期間が長く、返済を除けばほぼ修繕費・固定資産税・火災保険のみで運用できる手堅さが、戸建賃貸住宅の魅力でしょう。
用途を柔軟にしておきたい場合は定期借家契約で、一定期間のみの契約を結ぶようにします。
ただし、居住用の建物を賃貸に出す場合、住宅ローンの借り換えが必要です。また、相続で受け継いだ昭和56年5月31日以前の建物を一度賃貸すると、以後売却する際に所得税の3,000万円の特別控除が受けられなくなります。あらかじめよく検討するのをおすすめします。
商業施設
商業施設も、変形地の活用に向いた方法です。変形地を活かした個性的なデザインで、人が集まるランドマークにするのが可能でしょう。
SNSなどを中心に集客を行える業種ならば、旗竿地の奥にある居心地のいい隠れ家というコンセプトも成立します。
また、商業施設は地形の関係で広い面積の確保が困難でも、居住用に必要な浴室や寝室、共同住宅用の共有部分を必要としない分、各フロアの面積を広く使えるでしょう。
賃料を高く設定できて収益性が高く、ワンフロア使いにしやすい点は建築費や維持費の節減につながります。
賃貸併用住宅
賃貸併用住宅には、以下のようなさまざまなメリットがあります。
- 広い土地に住居プラスアルファの活用ができる
- 借入に住宅ローンを利用できる
- 家賃収入から自宅のローンを返済できる
- 相続税を節税できる
- 固定資産税の節税に活用できる
自宅部分の面積が50%を超える場合は、事業用の物件購入よりも低い金利の住宅ローンで借入ができます。
また、自宅の一部を賃貸にすることで、条件によりますが相続税の評価額が8割減額されたり、固定資産税が6分の1になったりなど、大幅な節税が可能です。
細長い変形地では、居住部分と賃貸部分の分離もしやすくなりますので、一度検討されてはいかがでしょうか。
ここまで主に不動産賃貸による土地活用の話をしてきましたが、不動産賃貸の事業には、今後さまざまな変化が予想されています。賃貸住宅での土地活用を検討するなら、時代の流れを先読みしましょう。20年先まで見通せる土地活用の未来が知りたい人はこちらからどうぞ!
トランクルーム
トランクルームは、コンテナなどを利用して個人向けのトランクスペースを賃貸する事業です。設備投資が少なく済み、すぐに始められ、立地にあまりこだわらないなどの点が魅力です。
変形地による制約も、あまり考えずに済むでしょう。うなぎの寝床のような土地でも、レイアウトが工夫できます。
また、アパートやマンションと異なり、立ち退きの手続きもしやすいため、柔軟な土地利用、空きスペースの有効活用に向きます。
反面、以降の項目に共通しますが、居住用賃貸目的以外の事業は、節税にはつながりません。
コンテナハウス
コンテナハウスとは、輸送用のコンテナを使用した建物の総称です。居住用から店舗・事務所、倉庫、車庫まですべての用途を含みます。
構築するうえでの安さは特筆もので、材料は中古の海上コンテナで10万円未満から、建築確認申請に対応できるコンテナでも100万円未満から入手が可能です 。
2階建てや広い空間も自由につくることができ、外観もガラス張りなどのおしゃれなものもあります。
また、何もない土地よりもコンテナハウスを建てることで、固定資産税の減額を受けることが可能です。
難点としては、旗竿地のような狭小な場所への搬入が困難なことや、鉄の箱なので、内部の温度管理が難しいことなどです。
貸し倉庫
貸し倉庫は容積率の割に建築コストが安く、変形地を格安で取得できた場合、高い収益率を見込める可能性があります。
トランクルームでは難しい大きめのものを預かる、空調管理をする、駐車スペースを設けるなどで差別化が図れるでしょう。トランクルームに比べて、長期契約になる傾向があるのもメリットです。
倉庫は建築物として、建築確認申請や検査済証を受ける手続きが必要となり、固定資産税も課税されることは、念頭に置いておきましょう。
駐車場・駐輪場
駐車場や駐輪場も、変形地の制約をあまり受けないうえに、設備投資も最小限で済みます。資産として建物を持たないため、自然災害のリスクもあまりありません。
収益は基本的には立地に比例しますが、時期などによって戦略的に細かく賃料を変更している例もあり、都市部では2〜3台から運用している例も多く見られます。
駐車場・駐輪場も、契約書に途中解約条項を設けて、貸主が申し入れをして一定期間ののちに退去がお願いできるため、柔軟な土地活用に向いています。
貸し農園
貸し農園はレンタルファームや貸し畑とも呼び、退職後のシニア層や、子どもの体験がおもなニーズとなります。多少の土づくり以外に設備投資は不要となること、途中解約も容易である点がメリットでしょう。
収益性の部分では、設備や付帯サービスで大きな差が出ます。道具の貸し出しや除草の代行、農作業のサポートや指導などが充実していれば、高めの料金設定が可能です。
ただし、土地を畑として貸すだけなら、関東でも少し郊外に行けば年間数千円と格安で借りられる畑もあるため、差別化のための工夫が必要でしょう。
資材置き場
資材置き場は、建築現場の作業効率を上げるために必要な施設です。建物や道路、公園など建設現場の近くの施設に資材を保管できると、必要な時にすぐに調達できるようになります。
資材置き場の年間賃料相場は、固定資産税の2〜4倍で設定されることが多いです。土地のみの貸借の場合、1か月以上の賃貸を行った場合は、消費税は非課税となります。
変形地や狭小地の不利はあまり関係がなく、更地の場合はとくに設備を整える必要がないのも魅力ですが、資材の搬入や搬出の際の騒音は、周囲への配慮が必要となるでしょう。
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変形地の土地活用はプロに相談
変形地活用の12の方法をご紹介しましたが、あなたの土地にはどの方法が最適でしょうか?マンション、ガレージハウス、商業施設、トランクルーム…選択肢は多岐にわたります。
フィル・カンパニーでは、駐車場の上部空間を活用した空中店舗「フィル・パーク」や、車やバイクの愛好家の方や趣味のスペースを求める方からの需要が高い賃貸ガレージハウス「プレミアムガレージハウス」といったソリューションを提供し、一般的な土地活用では得られない高収益を実現してきた実績があります。
あなたの土地の可能性を最大化する活用アイデアが知りたい方は、ぜひ一度ご相談ください。
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垣内 典之
株式会社 PROPUP 代表取締役/一級建築士
石川県金沢市出身。千葉大学大学院修了(建築学)。建築設計監理からキャリアをスタート、環境性能に係る設計審査業務、企業不動産(CRE)戦略、ファシリティマネジメント(FM)コンストラクションマネジメント(CM)等を経験。建築・不動産・ITを横断的に繋げ、高次元のプロパティ・マネジメントを実現するべくPROPUPを設立。
