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2024.07.17 テナント商業ビル経営土地活用成功事例

駅近で成功する土地活用!特に収益性が高い活用方法TOP5と事例紹介

この記事の監修者
垣内 典之一級建築士垣内 典之

土地活用は場所と活用方法の両方が良く無ければ収益性が上がりません。例えば、駅前の土地を畑に使ったらどうでしょうか。作物は採れるかもしれませんが、収益は上がらないでしょう。場合によっては税金ばかり発生して、収益はマイナスになるかもしれません。使い方を誤ると赤字のリスクが高くなるため注意が必要です。
それでは、駅近というメリットの多い土地に、どのような活用方法が有効なのでしょうか。この記事ではとくに収益性の高い活用方法のTOP5と事例を紹介します。読み終わるころには土地活用のノウハウが身につき、資産形成に活かせることでしょう。

 

駅近の土地活用で収益性が高い活用方法TOP5

結論から解説しましょう。下記に挙げるのが、駅近の土地活用で収益性が高い活用方法TOP5です。土地活用の手段はこれだけではありませんが、結局はこの5つに行き着きますし、利益率が高く、おすすめです。

  • アパート経営
  • マンション経営
  • オフィスビル経営
  • 商業テナントビル経営
  • ホテル経営

このように、住居系不動産や商業系不動産が並びます。それぞれについて、どのような背景で収益性が高くなっているかを解説していきましょう。なお、ここでいう駅近は都市部の駅を指します。

アパート経営

土地活用にもさまざまな方法がありますが、アパート経営は比較的収益性高い活用方法の一つです。
第一に、アパートは事業用の不動産の中でも比較的投資費用が抑えられます。物件にもよりますが、戸建て住宅レベルのケースも少なくありません。とくに、木造アパートなどは規模が小さければ物件は探しやすいです。

さらに、条件によっては家賃で収益性を上げることができるでしょう。不動産屋に行くとアパートの家賃が並んでいますが、駅からの距離が家賃決定の大きな要因であることが分かります。駅から近ければ近いほど高い家賃が設定されており、収益性の高さが伺えます。

また、リスクの面から考えてもアパートは有利です。例えば、駅から近い物件は利便性が高いため、空室リスクは低くなります。交通の便が良いため需要が高く、サラリーマン世帯や通勤・通学を前提としている人たちがいる限り、安定した収益を見込めるでしょう。

また、駅から近ければ家賃下落リスクも低くなります。家賃下落リスクは物件の人気が落ちると発生するリスクですが、駅近物件は高い需要を維持しやすいため、リスクが抑えられます。ある程度築年数が経っても、家賃は高いレベルでキープできるでしょう。

将来的にアパートを売却することになっても、駅から近いと有利です。アパートを購入するのは他の不動産投資家であり、収益性の高い物件を求めている場合が多いです。一般的に投資家は物件の土地状況を最初に確認するため、駅の近くであれば、多くの投資家も気に入るでしょう。

マンション経営

マンション経営も収益性は高く、土地活用に優れています。マンションは投資費用が高いものの、家賃も高額であるため、高い収益額が期待できるでしょう。

例えば、アパートと比較しても1室の家賃はマンションのほうが高額となる傾向にあります。耐用年数に関してもマンションは有利です。法定耐用年数で言えば、木造は22年で鉄筋コンクリート造は47年です。銀行の融資は耐用年数によっても異なりますので、銀行対策を考えても有利になるでしょう。

ちなみに、今は古いマンションであってもリノベーションで復活させることが可能です。実際、築50年を超えるような古いマンションをリノベーションする例はいくつもあります。
ただし、前にも述べたように投資費用が高く、誰でも可能なわけではありません。銀行と交渉ができるのも限られた人ばかりです。また、物件の管理も大掛かりになるため費用も掛かります。

このように、マンションは大きな利点がありますが、一般向けとは少し言い難いです。「アパートの次の土地活用」くらいと捉えても良いでしょう。

オフィスビル経営

オフィスビルはアパートやマンションのような住居系不動産とは経営の方法が異なり、イメージがしにくいかもしれません。しかし、オフィスビルは住居系不動産と比べて安定した経営が望めるので、不動産としては有望です。

例えば、家賃を考えると非常に高い収益が期待できます。一般のアパートやマンションの家賃が100,000円レベルに留まるのに対して、オフィスビルは広さによっては1,000,000円を超えるケースも珍しくないからです。仮に同じ面積であっても高い収益が見込めることでしょう。とくに大きな駅の周囲では需要が高まるため、さらなる収益化も期待できるでしょう。

また、空室リスクもそれほど高くはありません。アパートやマンションの場合は入居者の都合でかんたんに退去されてしまいます。転勤などの他にも「気に入ったまちがあった」「家賃が安い物件を見つけた」など、時として「気まぐれ」とも思える理由で出ていくことでしょう。
一方、オフィスビルの場合、そのような頻繁な退去は少ないです。駅から近いならば、大きな企業が入居するケースが多く、家賃が上がることも期待できます。

ただし、オフィスビルは企業相手のため、景気に左右されることがあります。そして、旗色が悪くなった企業が最初の段階で行うのが経費節減であり、その場合には退去されるリスクが出てしまいます。

しかし、仮に空室が発生したとしても、駅近であればすぐに新しい入居者が見つかる可能性が高いです。駅近の物件は企業にとっても魅力的な地域であり、土地活用の手段として非常に有効です。

商業テナントビル経営

商業テナントビルも収益性が高い土地活用法の1つであり、駅近の土地の場合、とくに経営は有利になることでしょう。商業テナントビル経営は、入居している店舗の経営状況に大きく左右されます。

店舗が繁盛すれば、高い家賃収入安定的に得ることができ、とくに高級品を販売している店舗は高く賃貸できる可能性が高いです。ブランド物の衣類などは良い例で、数十万円の値を付けているケースも珍しくはありません。そのような店は人が賑わい、多くの利益を出し、その利益が家賃収入となります。

一方で、店舗の経営が傾けば、テナントからの減額交渉に応じなければならないケースや、空室となり物件募集の際に賃料を下げざるを得ないケースもあり得ます。空室が連鎖的に発生すれば、テナントビルの経営が危機に陥る可能性も考えられます。

店舗の経営の変動条件は「何を販売するか」にもよりますが、「人の賑わい」も大きな関係性を持ちます。大勢の人が集まれば、店舗への流入数も多くなり、商品を購入する人も多くなるのです。

その点で、駅近の土地は非常に有利です。駅は交通の要所であるため、毎日のように大勢の人が来ます。東京のような大きな駅では、埼玉県や千葉県からも多くの人が集まり、通勤や通学のついでに買い物をすることも多いです。

ホテル経営

ホテル経営も収益性の高い土地活用方法の1つです。とくに、駅の近くであればビジネスホテルが高い収益を上げることと考えられます。これは、駅近のホテルが経営面で非常に強いからです。

例えば、首都圏のビジネスホテルの料金を比較すると、駅から近いほど割高になる傾向があります。とくに、ターミナル駅の前などは、他の地域のホテルと比べても高い料金に設定されています。

また、ホテルの宣伝文句を見ると「駅徒歩1分」などと記載されている場合もあり、立地がいかに集客や経営に直結するかが垣間見える文句とも読み取れるでしょう。
この宣伝文句は旅行者にとって非常に魅力的です。現在はスマートフォンがあるので、少し離れた場所でも迷うことは少ないかもしれませんが、駅から近いホテルは土地勘のない人でも分かりやすく、出発時にも便利です。こうした利便性は、ホテルの人気を高める要因となります。

さらに、経営の強さは家賃にもダイレクトに反映されます。高い利益率のホテルであれば、高い家賃も期待できるでしょう。

このように、土地活用にはさまざま種類があり、それぞれメリット・デメリットがあります。自分の土地はどのように活用するのが一番効果的か知りたい方は、ぜひこちらの資料から土地活用術を学んでください。

とくに駅近の土地活用には商業テナントビル経営がおすすめ

駅近の土地は有効な活用方法が多く、アパートやマンションの経営はもとより、土地信託のようなまったく性質が異なった手法もあります。そんな中でも、駅近の土地活用でもっともおすすめなのは、商業テナントビルの経営です。

これは、「人で賑わうから」という要素だけが理由ではなく、収益を上げるうえで明確に有利な要因があるのです。そこで、ここでは駅近の土地がなぜ商業テナントビル経営に向くかを、「人が賑わうから」とは別の角度から解説しましょう。

駅近の土地は、数ある用途地域の中でも最強!

駅から近い地域は、まさに「まちの中心部」です。人が賑わうだけでなく、数ある「用途地域」の中でも、ほぼすべての建物が建てられる「商業系の用途地域」に指定されることが大半です。例えば、低層住居専用地域は高さ制限があるため、大きな建物は建てられません。必然的に高層商業ビルのような施設は建てにくく、土地活用の幅は狭くなってしまいます。

また、大きな建物を建てられないことはマンション経営も難しいことを意味します。アパートであっても制限が発生するかもしれません。その点、駅近であれば、アパートからマンション、そして高層商業ビルまで、さまざまな建物が建築可能です。
このことは「経営の」にも大きく関わります。経営を考えるならば、アパートやマンションよりも商業テナントビルのほうに軍配が上がるでしょう。

アパートやマンションは満室になれば、それ以上の収入は期待できません。家賃のアップは可能ですが、入居者との合意が必要なため、実質的には難しいです。しかし、商業テナントビルであれば、多くの人が賑わうことで商業が盛んになり、ビルの有用性や価値は向上します。より上質な店舗が入居を希望されればそのタイミングで賃料を上げて契約することも可能です。それらを繰り返しビルの価値が高まると、比例してさらなる人の流入やテナント入居希望も増えていき、相乗効果として収益向上が期待できるでしょう。土地活用を考えて収益を望むならば、駅近の商業テナントビルにぜひ挑戦してみてください。

用途地域

下記にて、用途地域を表でまとめているので確認してみましょう。

種類 特徴
第一種低層住居専用地域 低層の住居環境を守るための地域で、高さ制限があるので3階建てくらいまでしか建てられません。

特徴的なのは店舗兼住宅の非住宅部分の面積。床面積が50㎡以下で業種も限られます。

第二種低層住居専用地域 低層の住居環境を守るための地域で、高さ制限があるので3階建てくらいまでしか建てられません。

商業の規制が緩和され、床面積150㎡以内で2階建て以下の店舗やコンビニなどが建てられます。

第一種中高層住居専用地域 中高層住宅のための地域です。

低層住宅専用地域に加えて、病院や大学などが建築可能。また、業種によっては床面積が500㎡以下の店舗や飲食店、スーパーマーケットも建てられます。

第二種中高層住居専用地域 中高層住宅のための地域。

低層住宅専用地域に加えて、病院や大学などが建築可能。

また、2階以下で1500㎡までの店舗や飲食店などが建てられます。

第一種住居地域 住居のための地域ですが、規制が大きく緩和されます。

例えば3000㎡までの店舗や事務所、旅館、ボウリング場など。また、50㎡以下の工場も可能ですが、パチンコ屋やカラオケボックスなどは禁止です。

第二種住居地域 住居のための地域ですが、規制が大きく緩和されます。

例えばホテルや事務所などが建設可能です。加えて、パチンコ屋やカラオケボックスなども建築可能です。

準住居地域 自動車関連施設などの立地と、それと調和した住環境を保護するための地域です。

3階以上または300㎡以上の大きな車庫や自動車修理工場が建設可能。また、小さな劇場や映画館なども建てられます。

田園住居地域 農業の利便性を図りながら低層住宅のための地域です。

低層の住宅に加え、500㎡以下の農業直売所や農家レストランなども建設が可能です。

近隣商業地域 住民への日用品を供給するための地域です。

各種店舗やスーパーマーケット、商店街も形成できます。また、10,000㎡までの遊技場などの施設も建てられます。150㎡までになりますが、工場の建設も可能です。

商業地域 一部の工場を除いて、ほとんどの建物を建てることが可能な地域です。

オフィスビル、銀行、百貨店などが並びます。また、タワーマンションなども建設可能なので。活気のあるまちになります。

準工業地域 工業のための地域ですが、環境の悪化をもたらさないレベル。住宅や店舗が混在しています。

建てられる建物は商業地域に近く、ほとんどの建築物の建設が可能。ただし、安全上のリスクのある工場などには規制が掛かります。

工業地域 工業のための地域です。公害のリスクのある業種の工場も建てられます。

住宅の建設も可能ですが、学校や病院などは建てられません。

工業専用地域 工業のための地域です。

公害発生リスクの高い業種の工場建設が可能です。

住宅や店舗、学校、病院、ホテルなどは建築不可の点が特徴といえるでしょう。

建築基準法でも駅近の土地は優遇されている

駅近の土地は建築基準法に照らし合わせても有利な場所といえます。例えば、建築物を建てるためには接道の義務を始めとした、さまざまな条件をクリアしなければいけません。接道の義務で言えば、建築基準法でいう道路(原則的には幅4メートル以上)に2メートル以上接しなければいけません。さらに、高さ制限建ぺい率容積率など、多くの規制があります。

しかし、駅近の土地は商業系の地域が多く、住居系の地域ほど規制が厳しくないため、大きな建物を建てられるケースが多いです
また、最近の商業用の建物はデザイン性に優れているものも多いです。デザイン性の豊かな商業施設は時として話題を呼び、人を集める効果が期待できます。集客に大きく寄与し、収益に結び付くのです。

土地活用のためには知識だけでなく、活用方法を知ることが必要なので、信頼できる業者に相談しましょう。

集客に困らない

集客に困らない点も駅近の土地の大きなメリットです。先にも挙げたように、駅は交通の要所です。毎朝のように多くの人が電車に乗って通勤・通学をし買い物をします。中でも駅近のコンビ二は、多くの人が飲み物や食べ物を買う場所として重宝されています。さらに、コンビニを利用する人たちはテレビCMや新聞広告などの集客メディアを使わなくとも、自然に集まるのが特徴的です。

一方、郊外の商業ビルは「勝手に人が来る」とは限らず、駅近と違って休日でなければ来ないかもしれませんし、何らかの催し物がければ集まらない可能性もあります。いずれにせよ、人集めの点では駅近のほうが断然に有利なのです。ちなみに、駅の規模が大きくなればなるほど、この傾向は強くなります。例えば、東京の主要駅と支線の沿線の駅を比較するならば、やはり主要駅のほう方が人であふれるでしょう。

駅近、特に主要駅の駅近は商業テナントビルに人を招き、売上を確保して収益を上げるには理想的な舞台といえるのです。

狭小地でも土地活用しやすい 

商業テナント経営のためには必ずしも大きな土地が必要とは限りません。仮に狭小地でも活用は可能であり、入った店舗が商売上手であるならば、ビル全体が大きな収益を上げられます。
駅近の土地はほとんどの建築物が建築可能なため、幅広い土地活用が可能です。さらに狭小地であっても利用用途により可能となる業種も多岐にわたります。

その一方で、駅から離れているエリアでは狭小地の活用はかんたんではありません。小規模のアパートなどは建設可能でしょうが、小さい物件であれば利回りは上がっても、収益の額はあまり上がらないかもしれません。

その点、駅近であれば可能となる建物の幅は非常に広くなります。例えば、店舗向けのペンシルビル(狭い土地の上に建てられた3階〜5階の建築物)を建てた場合でも、ビルの立地さえ良ければ、入居を希望する店舗が現れるでしょう。そこに行列のできる飲食店やテレビに出るような名店が入れば、遠くからも多くの人が訪れるかもしれません。

裏通りなどでも、商業圏内であれば活用可能

駅近の土地は商業圏内であれば裏通りでも十分に活用が可能です。むしろ、他の商業地域よりも有利な場合も少なくありません。

店舗の利益は売上に比例しているといえるため、を多く集客できればそれだけ売れる確率が上がります。
例えば、コンビニの前を50人流れる場合と100人流れる場合では、100人流れる場合のほうが来客数は多いです。当然、売上も100人通るほうが高くなります。たとえ裏通りでも、駅近であれば人が多いので集客は可能であり、他の地域よりも有利になります。

ただし利回りをきちんと確保できるか事前に調査、検証をする必要はあります。

転用、売却しやすい

転用や売却がしやすいのも、駅近の土地の強みです。まずは転用について考えてみましょう。
駅前は基本的に人が多いので、仮に転用したとしても多くの来客が望めるため、安定した経営が期待できます。例えば、衣料品店が入っても経営的には有利ですし、飲食店が入っても同じく有利です。
また、売却に関しても同じことがいえます。投資用不動産を探すのは、多くの場合が投資家です。投資家は収益性の高い物件を選びますが、収益性の高い土地を考えるならば、やはり駅近のほうが有利です。

転用や売却を駅近以外の地域で考えたなら、どのような制約が考えられるでしょうか。他の地域では転用できる範囲が限られているため、転用の可否から考えなければなりません。とくに住居系の地域はシビアとなるでしょう。同様に、売却に関しても他の地域は駅近に劣ります。収益性の高い物件を買おうとするならば、やはり駅近のほうが有利なのです。

駅近の土地のデメリットも、商業テナントビル経営なら解決

どんな土地であってもメリットとデメリットがあります。
人が多くなればうるさく感じるケースもあるでしょうし、その反対に、人が少なくなればまちに活気がくなることでしょう。駅近の商業地であっても同じようにメリットの分だけデメリットは存在します。

しかし、駅近の場合はメリットが大きいため、デメリットが目立たなくなることがあります。そこで、ここでは駅近の土地の「メリットがデメリットをカバーする例」を取り上げてみましょう。

駅近の土地に必要な対策も、高い収益性でカバー

土地のデメリットは収益性で表すことが可能です。例えば、土地の評判が悪くなったり、人通りが減ってしまったりした場合は、テナントの売上のウン幅によって表されます。正確な関数として表すことは難しいですが、傾向は把握できるでしょう。
一方で、メリットも収益性で表すことが可能です。店の評判が上がったり、人通りが増えたりすれば、それだけの売上アップが期待できます。
また、メリットとデメリットが拮抗した場合は「メリットがデメリットをカバーする」ことが考えられます。以下で具体例を見ていきましょう。

税金が高くなりがち

土地活用のトータル的な収益は、売上から経費と税金を引かなければ算出ができないため、税金は決して無視できるものではありません。

それでは、土地活用にはどのような税金が発生するのでしょうか。これは主に固定資産税と都市計画税などが挙げられるでしょう。これらはかんたんに言えば「持っているだけで発生する」税金です。

また資産を相続する場合には相続税もかかります。土地に建物を建て活用することで、税額を多少減らすことは可能ですが、駅近はもともとの土地の価値(=評価額)が高いため、一般の土地よりも税金は高くなると考えられます。

ただし税金は、所有する物件の価値によって変動しますが、必ずしも「収益」に連動するわけではありません。土地の価値と収益は別問題であり、土地の価値以上に収益を生むことができれば、トータルの利益が大きくなります。

メリットが多い駅前の土地というアドバンテージを上手に活用すれば、高額になりがちな税金分のマイナスもカバーできるでしょう。

防火地域に指定されていることが多い

駅前は火災によって大きな被害が予想される事から、防火地域に指定されている場合が多く、建物の構造や使用材料に制限があります。防火地域に建設する場合には、一定の耐火性能を有する構造とする必要があります。

そのため収益を計算する上では、建設時にはそのコストを考慮しなくてはなりません。防火への対処は大きな費用が掛かってしまう可能性もあり、デメリットと感じる方もいるでしょう。しかし、物件の生み出す収益が投資費用を上回っていれば、デメリットを覆す十分なメリットが得られます。

オフィスビルより商業テナントビルのほうが利回り高め

ここで、オフィスビルと商業テナントビルを比較してみましょう。
オフィスビルは商業テナントビルと同様に事業用不動産であり、双方とも収益に連動するように見えますが、利回りから考えると商業テナントビルに軍配が上がります。これは、商業テナントビルの場合、売上が上がればそれだけ利回りに結び付きやすいからです。借地借家法があるので家賃のアップはかんたんではありませんが、借主の入れ替えの際には家賃の変更は可能でしょう。

一方で、オフィスビルはあくまでも賃料は固定費となるので、売上が上がったとしても固定費まで上げることはなく、賃料までアップするとは考えにくいのです。

騒音や治安トラブルも賃貸経営より少なめ

駅近の商業テナントビルのデメリットに「治安の悪さ」を挙げる人は少なくないでしょう。実際にテレビのニュースやバラエティ番組では、主要駅の近辺で起こった迷惑行為が頻繁に取り上げられています。

しかし、駅近の騒音や治安トラブルに関して言えば、マンションなどの住居系不動産のほうが不利に働く場合があります。商業テナントビルの場合、夜になれば店を閉めることができますが、住居系不動産であれば夜中の騒音や治安に関しても気をつけなければいけません。例えば、トラブルがあれば管理人に連絡が来ますし、住民以外入ってこられないようオートロックにするなどの対策も必要でしょう。つまり、駅近は騒音や治安悪化、更には犯罪の可能性などを考えると住宅には向きません。商業テナントビルのほうが相対的に有利になるのです。

ちなみに、住居系不動産は閑静な住宅地でも安心はできません。閑散とした住宅街は人の目が少ないため、窃盗を始めとした侵入犯罪が多いまちがあるのです。そう考えると騒音や治安トラブルは「駅近の土地」ならではのデメリットとも言えません。逆に絶対数でいくと、商業テナントビルへのクレームやトラブルは賃貸経営よりも少ないことも多いのです。

駅近であれば賃料も高めに設定できる

家賃を考える場合には「契約書にどれくらいの金額を記載するか」が重要になります。家賃は一度決めると、貸主の都合だけでは変えることができず、変更には借主の同意が必要となります。よほどの事情がない限り、家賃の増額に応じる借主はいないため、高い家賃を設定するには、契約前の段階で、家賃の額に納得してもらわなければいけません。

それでは、どのようにすれば高い家賃で納得してもらえるのでしょうか。これは「商売のしやすさ」を訴えることに他なりません。そして、商売のしやすさを考えるならばやはり駅近が最適であり、比較的高い家賃を設定できます。

また、不動産は年月が経てば劣化し、美観や設備にしても劣化していくため、物件によっては駅近でも高い家賃を設定するのが難しいと考える人もいるでしょう。しかし、今ではリノベーションのアイデアも多彩であり、仮に古くなったとしても、物件を魅力的に見せることは可能です。

ここで東京の駅近の店舗賃料を取り上げましょう。エリアとしては東京のでも比較的賃料単価の高いエリアである銀座、渋谷、表参道、新宿を挙げています。

この数値を見てみると、2021年の賃料がいずれの地域も非常に安かったことが分かります。22年、23年が40,000円程度であるのに対し、36,000円程度まで落ちています。実に1割の下落ですから、ビル側としてみれば、相当の痛手と考えられるでしょう。

この下落の原因はコロナの影響と考えられます。コロナ禍では飲食店の経営に制限が掛かり、人通りは消え、テレワークが増加しました。その結果、店舗に訪れる人も減少し、商業地は閑散としたことが賃料にも大きな影響を与えたのでしょう。

しかし、駅近は商売がしやすく、店舗も入りやすいです。一旦下落した賃料は2022年には回復基調に入り、特に渋谷では2023年には2021年と比べ150%ほど賃料がアップしています。やはり、駅近の魅力は消えないのです。なお、表の数値は家賃の坪単価で換算し、1坪に対して30,000~50,000くらいで推移しているのが分かります。

●公募賃料推移

エリア 2021年 2022年 2023年
銀座 36, 600~39,300 42,300~43,200 39,700~41,900
渋谷 36,100~37,300 43,600~44,500 55,500~60,500
表参道 39,900~41,600 42,900 43,200~43,500
新宿 34,200~35,300 36,900~37,500 34,700~37,200

一般財団法人 日本不動産研究所「店舗賃料トレンド2024春」から抜粋

売却時にも高い収益が見込める

駅近に土地を持っている人も、これから土地を取得する人も、将来的に売却をすれば「売却益」が発生します。そして、売却益は物件の利回りが高ければ高いほど上がりますこれは、新たな買主が別の不動産投資家であるケースが多く、その投資家も購入する不動産で収益を上げようとしているため、不動産の収益性を確認するからです。

なかでも駅近の物件は価値が高いので、高額の売却益が見込めます。また、ビルの収益性は築年数が経つと落ちると心配する方もいるかもしれませんが、今はビルのリノベーション技術が向上していて、たとえ古いビルであっても最新のビルのように使えます。そのため、ビルの収益性も良くなり、高値で売ることができるのです。

ちなみに、東京のオフィスビル街には築50年を超えた物件がいくつもありますが、ビルの内装は古いものばかりではありません。これは、時に応じて適切なメンテナンスとリフォームを行っているためと考えられます。商業テナントビルも同じです。適切にメンテナンスを行い資産価値を保全している状態ならば、有利な立場で売ることが可能なのです。

なお、土地活用にはノウハウが必要です。普段から情報入手に注力しましょう。

【世帯属性別!】駅近にあったら便利で嬉しいお店ランキング

ここまでで駅近の土地には商業テナントビル経営がおすすめということは分かっていただけたと思います。次に気になるのは、その商業ビルにどんなテナントが入っていたら良いか?ということですよね。
実際に駅近を歩いてみると、便利なお店、美味しいお店など、さまざまな場所が見つかります。では、どのような店に人気が集まるのでしょうか。そこで今回は、駅近にあったら嬉しいお店をランキング形式で取り上げてみました。ご自身のビルにテナントとして誘致するなら…という目線でぜひご覧ください。

一人暮らし世帯

まずは一人暮らし世帯向けのお店について取り上げましょう。一人暮らし世帯の特徴は、食事を弁当や外で済ませるケースが多く、その人たちの多くは毎日駅を利用しています。
また、医療にしても家計にしても、自力で行わなければいけない世帯となります。それでは、一人暮らし世帯の人は、駅近にどのような店を望んでいるのでしょうか。

スーパー・コンビニ

まず挙げられるのがスーパーやコンビニです。これらの店舗は帰宅が遅くなっても開いているのが特徴的で、忙しい人でも時間を気にせず利用が可能です。とくに、コンビニは帰宅が遅くなりがちな人に重宝されることでしょう。

ドラッグストア

次に挙げられるのがドラッグストアです。
現在のドラッグストアはさまざまな商品を扱っており、その業態はスーパーマーケットに近いです。一般的な薬だけでなく、飲み物やお菓子、インスタント食品などまで扱っており、この品揃えを見るとコンビニよりも便利と感じる人も少なくないでしょう。
さらに、一般の物の値段よりも安いケースが多く、財布にもやさしい店といえるでしょう。ドラッグストアにもよるでしょうが、その地域は生活しやすくなるかもしれません。また、夜遅くまで営業している店舗もあり、残業などで帰りが遅れてしまった日には重宝されます。
他にも調剤薬局を兼ねているところもあり、病院の薬を受け取るとともに、ちょっとした買い物も可能なので、一人暮らしの人にとっては非常に便利な店舗といえるでしょう。

銀行・郵便局

銀行や郵便局も駅近にあるので便利なスポットの1つです。
ではコンビニでも振込や引き落としができますが、重要な契約や支払いに関しては銀行でなければ受け付けていません。コンビニの場合は手数料が発生する場合や、金融機関によっては対応しないケースもあるため、利用している銀行が近くにあれば便利なだけでなく、節約にもつながるでしょう。

また、一人暮らしだと郵便物が都合によって受け取れないこともあるので、郵便局が近くにあれば後日受け取る時に便利です。毎日利用するものではありませんが、いざという時近くにあると便利なため、銀行や郵便局の需要は高いといえます。

病院

一人暮らしで健康上のトラブルにあうと、身体的にも精神的にも大きな負担となります。
一般的な風邪ならまだしも、インフルエンザや骨折など一人で対応するのが難しいレベルとなると、余計に不安に感じる人も多いかもしれません。そのような背景を受け、一人暮らしの人には病院の需要が集まっています。家から病院が遠いならば、実質的に通院が不可能となり、回復まで時間が掛かってしまうのです。

その点、駅に病院があれば会社の帰りに寄ることが可能ですし、勤務中に身体に異変を感じたら、速やかに治療を受けられます。ちなみに前述のドラッグストアが近くにあれば、さらに利便性は上がります。病院で処方箋をもらい、ドラッグストアで薬をもらい、ついでに日用品と食べ物を購入することも可能です。

飲食店

飲食店も駅近にはぜひとも欲しいスポットです。とくに、一人暮らしであれば、忙しくて疲れ切った状態での自炊は大変なので、外で軽く食べてから帰りたいという日もあるでしょう。その点、駅近に飲食店があれば帰宅時に寄って食事をとることが可能です。ちなみに、大きな駅であれば「名店街」があるものなので、疲れて帰る際にはやさしく迎えてくれることでしょう。

また、飲食街が駅近にあれば朝食をとっていくことも可能です。例えば、ファーストフード店のモーニングのメニューなどがあれば、一日の活力にもなります。朝から夜にかけて、駅近に飲食店があれば食生活に困ることも少なくなるでしょう。

ファミリー世帯

次にファミリー世帯向けの店を挙げてみましょう。
ファミリー世帯は夫婦と子ども2人の世帯を想定します。単身世帯と大きく違い、家族として必要なものの他に、子どものために必要なものがあります。そのため、駅近に対する希望も、一人暮らしの世帯とは異なった店舗の需要が高まります。特に子どもが小さい時はその違いが顕著になるでしょう。
では、ファミリー世帯が望む店にはどのようなものがあるのでしょうか。

大型商業ビル 

まず挙げられるのが大型商業ビルです。大型商業ビルにはスーパーマーケットを始め、家電量販店、ドラッグストア、さらには飲食店などが揃い、家族で一日買い物を楽しみ、美味しい食事をとるなどの休日が過ごせます。また、駅近であれば、移動から買い物までスピーディーにできます。

例えば、夕飯を作っている奥さんから帰宅中の御主人にスマホなどで買い物を頼めば、駅近の大型商業ビルで買うことも可能でしょう。大型商業ビルに書店が入っていれば、電車の待ち時間を読書で有意義に過ごすこともできるでしょう。

土地活用でショッピングセンターを建てるとなると至難の技ですが、大型商業ビルの人気の背景には「何でも揃う」「子どもが遊べる」「大人も子どもも満足できる」というニーズがあります。このニーズを商業テナントビルのテナントを選ぶ際にも念頭に置いて選んでみてはいかがでしょうか。

スーパー・食料品店

次に挙げられるのがスーパーや食料品店です。駅の近くにスーパーや食料品店があれば、通勤途中での買い物が可能となるため非常に便利になります。通勤などで駅を利用する人にとっては、スーパーや食料品店は寄りやすくなるので、とくに利便性を感じることでしょう。コンビニと比べれば取り扱っている価格も安く、節約という面でもコンビニより魅力を感じるかもしれません。
また、スーパーによっては独自のプライベートブランドを扱っているケースもあり、高品質でリーズナブルな商品が購入できるでしょう。いずれにせよ、食料品や日用品を購入するには、スーパーや食料品店はファミリー世帯にとって欠かせない重要な店なのです。

コンビニ

コンビニも駅近に望まれる店の1つです。スーパーと比べて価格は高い傾向にありますが、24時間営業である点はコンビニの大きな魅力といえるでしょう。とくに仕事で朝が早かったり、夜が遅かったりする人にとっても、24時間いつでも買い物ができる点が魅力的です。

例えば、仕事に出掛けるサラリーマンが飲み物を買う一方で、主婦が食品を買う、もしかすると子どものためのおやつを買うかもしれません。また、基本的にコンビニは年中無休であり、正月も営業しているので旅行に行く人にとっても便利なことでしょう。しかも大手のコンビニは、美味しさを追求した会社、イートインの充実を目指した会社、異業種とのコラボを図った会社など、それぞれ違った魅力を持っています。ちなみに、コンビニであってもプライベートブランドがあり、コストダウンに努めている商品もあるため、商品によってはスーパー並みの価格設定で購入が可能です。

他にも、コンビニは宅配の手配や税金の支払いなど、事務的な作業も済ませることができます。旅行に行く場合には、トランクをコンビニの宅配便で運び、自分は新幹線で快適に行くということも可能でしょう。

ドラッグストア

ドラッグストアも駅近に望まれる店です。ただし、ファミリー世帯の場合、単身世帯とは少し違う利用をします。
前述のとおり、ドラッグストアはスーパー並みの商品を持っており、ファミリーにとっても必要なものが揃うので、非常に便利です。例えば、小さい赤ちゃんが使うような紙おむつや粉ミルク、あるいはベビーフードなども揃っているため、子どもがまだ小さい世帯にとっても重宝する店といえるでしょう。
また、お年寄りのためのシニア用グッズも販売されているため、お年寄りのいる世帯でもありがたい存在となるはずです。さらには、疲労回復のための栄養ドリンクなどもあり、残業が続くサラリーマンにとっては強い味方といえるかもしれません。

このように、さまざまな薬が並び、しかも食料品や日用品も揃うことから考えると、ドラッグストアは安いだけでなく、幅広い世帯にとって貴重な店といえるでしょう。

内科・小児科などの医療施設

医療機関の必要性は単身者の世帯と同じですが、ファミリー世帯の場合には小さい子どもがいるケースも多く、小児科などもニーズも含まれます。例えば、小さい子どものいる世帯の場合、子どもが体調を崩した時には小児科に行くことでしょう。その場合、駅に近いほうが通いやすい場合も多く、子どもの負担を軽減することもできます。

また、内科は大人が利用しますが、駅近であれば通勤途中に立ち寄ることも可能なので便利です。職場で体調に異変を感じたならば、速やかに病院に行くこともできるでしょう。ちなみに、昨今であればコロナウイルスが大流行しましたが、インフルエンザの猛威は毎年のように発生します。そのような場合には手の届く位置に医者がいることは心強く、駅近の医者は、やはり貴重といえるでしょう。

駅近の商業テナントビル経営、成功のポイント

ここまで述べてきたように、駅近の商業テナントビルは土地活用の手段として、他の活用方法よりも優れている点が多くあります。しかし、計画無しにビジネスを始めても上手くはいかないでしょう。テナントビルの経営には独特のノウハウがあり、精通していないと大きな損害を伴うリスクもあります。では、商業テナントビル経営の成功のポイントには、どのような点があるのでしょうか。

徹底的に市場調査を行う

ビジネスを上手く乗り切るためには事前の市場調査が欠かせません。活用を検討している土地がどのような地域なのか、多方面から徹底的に調査をしましょう。

例えば、店舗を持とうとする場合、その場所のニーズにマッチする商品を扱わなければならないでしょう。その土地への理解が浅いまま、考え無しでビジネスを始めてしまうと、失敗する可能性が高くなります。しかし、市場調査をしっかりと行うことで、失敗のリスクを減らすことができます。
例えば、家賃相場を知らずに賃料設定をした場合、提示した賃料が的外れの金額になってしまったらどうでしょうか。状況によってはテナントがまったく埋まらないだけでなく、銀行からも「経営手腕に難アリ」と評価されてしまうと、今後融資を引き出すことも難しくなるかもしれません。その点、市場調査をしっかりしておけば、このような事態を避けることができます。

また、市場調査を効率的に行うためにも、事前に調査項目を絞ることが重要です。ここではどのような点を調べるべきかを挙げてみます。

人口はどのくらいか?どんな人が住んでいるか?

最初に挙げられる点は「人口はどれくらいか?」と「どんな人が住んでいるか?」です。前にも述べたように、駅近の商業テナントビルは人が賑わって初めて成立するビジネスであり、この賑わいは人口が少ないと期待できません。商業は人口が十分にいてこそなので、事前の人口調査は非常に大切なのです。

また、人口調査と同じレベルで大切な点が「どんな人が住んでいるか?」といえるでしょう。そのまちでどのようなニーズがあるかを知ることは、テナント募集をするうえで非常に大切だからです。土地のニーズに合わせてテナントを誘致すれば、新しい土地であってもスムーズに集客を伸ばすことができるでしょう。

逆にその土地のニーズに合っていなければ、どんなに人の往来が激しい繁華街であっても集客は難しいでしょう。人口とニーズのどちらかが欠けていても、テナントビル経営は成功しません。

他にどんなお店があるか競合を調査しよう

土地の周辺に「どんな店があるか」を知ることは市場調査には欠かせません。似たような業種が集中している土地はニーズがあることの証明でもありますが、顧客の取り合いが発生する可能性があるため、なるべく競合が少ないテナントを誘致しましょう。
例えば周辺に飲食店が多ければ、お昼休みや仕事帰りに周囲の飲食店を利用することを想定して、ビジネスオフィスを誘致するといった戦略をたてるのも良いでしょう。競合調査は利益を上げる上で欠かせない項目の一つなので、人口や住んでいる人の特性とあわせてきちんと行いましょう。

どんな人柄の人が多いか

店舗の状況も大事ですが、どんな人柄の人が多いかも重要となるでしょう。
一人暮らしの人が多いか、ファミリー層が多いか、定時で帰る人が多いか、深夜残業をしている人が多いか、などそこに住んでいる人の特性によって、その街に必要な店舗やテナントも変わります
そのまちの良いところや悪いところなどを事前に知ることで、リスクを回避し、安心して経営を行うことができるのです。

現地を歩いてみよう

これからビジネスを始める土地は、やはり自分の足で歩くべきでしょう。

インターネットでまちの情報を調べることはできますが、地図に載っていない部分は、自分で歩くことでしか気づけないことがたくさんあります。例えば、悪臭がひどい場所だったらどうでしょうか。悪臭の有無は地図にはもちろん、インターネットにも書いていないかもしれません。もしかしたら口コミ情報で見かけることはできるかもしれませんが、確証となるまでには至らないことでしょう。また、日当たりなども地図では読みにくいです。タワーマンションなどが近くにあれば、日陰の予測が可能かもしれませんが、一般地域の場合は困難でしょう。

このように、地図には載っていない情報はいくつもあります。そのため、自分の足で歩くことは非常に重要なのです。

時代の流れを読む

時代の流れを読むことも必要となるでしょう。テナントも時代に合わせた雰囲気にすれば、目を引くものになり得るからです。例えば、カーボンニュートラルの時代を迎えつつありますが、それを意識したデザインのビルも良いかもしれません。内装材には人工素材・化学製品を極力使わず、天然由来の素材をあしらってみることで、環境に配慮したテナントとして有用になるかもれないのです。天然木由来のフロア材や、漆喰を使った塗り壁などがおすすめです。

駅近の商業テナントビル・事例紹介

ここで、駅近の商業テナントビルの事例を紹介します。ここまで商業テナントビルについて述べて来ましたが、事例を見ることにより、理解が深まることでしょう。

ケース①

商業テナントビルの事例1

ここは横須賀にある商業テナントビルです。このまちは米軍基地があることでも知られるとおり、多くの外国人を見かけます。日本人と外国人が当たり前に共存しているこのまちは、国際都市といっても過言ではないかもしれません。
さて、この土地にビルを建てるにあたっては収益性を最大にするための徹底した調査が行われました。そして、このケースに関しては「まち」と「人」について徹底的に調べられました。分かった点は「車の使用」と「外国人の数」です。当然ながら、この情報は戦略のために重要となります。その結果、完成したのがこのビルです。

特徴としては、ビルには最大駐車数を狙ったコインパーキングがあり、ヘアサロンとハンバーガーショップが入っています。コインパーキングとハンバーガーショップというまったく異なる業種が1つの施設で一緒になっているのに、違和感を覚える人もいるかもしれません。しかし、これは徹底したニーズの調査によるものです。商業地であれば車での移動が多くなりますし、横須賀は外国人の多いまちだからです。この2つのニーズに応じた結果、コインパーキングとハンバーガーショップという異例の組み合わせが生まれました。

先にも挙げたとおり、市場調査はビジネス成功のために不可欠で、この事例は調査の点で成功した例といえるでしょう。

【物件について】
竣工:2017年12月
2F:ヘアサロン(24.69坪)
1F:ハンバーガーレストラン(33.96坪)
1F:コインパーキング

ケース②

商業テナントビルの事例2

こちらは東京都の三鷹市の事例です。三鷹は中央線・総武線が走るまちで、新宿・渋谷・池袋への通勤・通学も便利なまちです。また、レジャーや観光も手軽に楽しめる魅力的な地域です。

本物件は、もともと駐輪場でした。そしてでき上がったのが5階建てのビルで、なかにはクリニックや学童保育、そしてダンススクールなどもあります。さて、この事例の大きな特徴も市場調査に秀でている点です。ビルの立地が文教エリアでもあるため人が集まり生活・文化・教育に類するサービスの需要があると判断され作られています。ちなみに、この施設は車いすやベビーカーでも快適に利用できる構造となっており、多くの人にやさしい施設といえるでしょう。

【物件について】
竣工:2015年8月
5F:ダンススクール(53.88坪)
4F:ダンススクール(53.88坪)
3F:学童保育(53.88坪)
2F:クリニック(53.88坪)
1F:駐輪場

ケース③

商業テナントビルの事例3

浜松町は東京でも有数のビジネス街・商業地です。地下には都営地下鉄が走り、しかも羽田空港に続くモノレールの起点にもなるので、交通上では非常に重要な地点ともいえます。こちらの事例は、JR浜松町駅から徒歩5分の場所にあるコインパーキングとオフィスの物件です。

周囲のまちはお洒落なオフィスが並んでいて、モダンな雰囲気に包まれています。そのため、まちの景観から考えても、スタイリッシュなビルが望まれました。ちなみに、この物件も市場調査が実を結んだ事例といえます。徹底した市場調査の結果、「40~50坪程度のお洒落なオフィス」に需要があると判断されて建設されました。出来たのが敷地・賃料・外観のバランスの取れたハイレベルのビルです。実際に入居したのもオフィスであり、ビジネス街にふさわしいスタイリッシュなビルとなりました。

【物件について】
竣工:2018年10月
2F:オフィス(46.96坪)
1F:オフィス(46.96坪)
1F:コインパーキング

テナントは自分で探さなくても良い場合もある

ビルの経営を始めるにあたって気になるのは、どのようにテナントを誘致するかではないでしょうか。ビルがあっても、空室だらけでは収益が得られず、それどころか固定資産税などに苦しむことになるでしょう。しかしテナント誘致している会社に依頼すれば、テナントを自分で探す必要はありません。調査などに時間を割くのが難しければ、テナントを自分で誘致するよりも、プロに委託したほうが良い会社を選んでくれることもあるでしょう。

生半可な知識でテナントを誘致すると大変なことになる可能性があります。賃貸不動産はいったん契約すると、借地借家法で借主が保護されるため、貸主側からの契約を変更することが困難になるからです。場合によっては悪質なテナントが入る可能性も考えると、プロに任せた方が良い場合もあるのです。

空室保証がある会社を選ぼう

前述で「空室リスク」という用語が出てきたのを覚えているでしょうか。実は空室リスクは不動産投資において重要な用語です。アパートなどで空室になると家賃が入ってこないので、経営が成立しないといった状態を指し、アパート経営にとっては致命的にもなるリスクといえるでしょう。この空室リスク」は商業テナントビルでもあり得ます。ビルを建設したはいいものの、入るテナントが無く、ランニングコストと税金だけが流れていくそんな危険な状態もあり得るのです。とくに自前でテナントを誘致する場合、ビルのオーナーの全員がテナントを見切る眼力を持ち合わせているとは限らず、空室が発生するリスクが高まります。

このような状況に対する策として「空室保証」というものがあります。これは毎月一定の保証額を払うことで、万が一空室が増えた場合に家賃収入を一部保証してくれるサービスです。空室保証は活用の安定性がアップする点が魅力であり、業者を選ぶのであれば、空室保証を体制化している会社が望ましいでしょう。

さて、ここまで駅近の経営有利な不動産、商業オフィスビル経営のメリット、そして駅近のメリット・デメリットなどを取り上げました。また、土地活用の事例や空室保証の例を取り上げたので、ビジネスモデルのイメージが具体的になったと思います。

このような大掛かりなビジネスは単独で推進するのが難しく、やはり、有能なビジネスパートナーが切望されることでしょう。「空中店舗フィル・パーク」を展開するフィル・カンパニーはそのような経営者の右腕となり、市場調査は入念に、企画は大胆に進めるパワフルなパートナーとしてお役に立てると確信しています。

また、フィル・カンパニー初期テナント誘致保証※扱っているので、安心して経営に向き合うことが可能です。(※条件によっては誘致保証ができない場合があります)
土地活用の際には、ぜひともお声がけください。

この記事の監修者

垣内 典之

株式会社 PROPUP 代表取締役/一級建築士

石川県金沢市出身。千葉大学大学院修了(建築学)。建築設計監理からキャリアをスタート、環境性能に係る設計審査業務、企業不動産(CRE)戦略、ファシリティマネジメント(FM)コンストラクションマネジメント(CM)等を経験。建築・不動産・ITを横断的に繋げ、高次元のプロパティ・マネジメントを実現するべくPROPUPを設立。

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